アンパンマンはカタカナ ばいきんまんはひらがな
なんの休みかしらないが、2019年10月14日、横浜の朝は寒かった。おれは寒さで目を覚ました。目覚ましより30分以上早い。それならば、起きてしまおう。起きて、コンビニに寄って、そうだ、映画館のある桜木町のモスバーガーで朝モスしながら馬券でも買うか。よーし、そう決めた。 そう決めたおれは、シャワーを浴びて、家を出た。まだ長袖の準備もままならない。白いシャツの上に網目模様のadidasのジャージを羽織った。下はジョーカーじみた紫色のズボンだ。おまえは紫色のズボンを持っているか? おれは桜木町のモスバーガーに行った。行って、朝モスのB.L.T.セットを頼んだ。B.L.T.といってもバイセクシャルもレズビアンもトランスジェンダーも関係ない。ベーコンと、レタスと、T……? だ。これが、バンズがなにかパリパリとしていて美味しかった。おれは一気に平らげた。そして、コーヒー片手に優雅に日刊スポーツの競馬欄
【「あの停電は、俺たちを食い物にしてきたヤツらを退治するチャンスだったんだ。あの一日半で行なわれたことは、政府に対して『あんた方は、ゲットーに住む人たちと深刻な問題を抱えている』ってことを表明していたのさ」】(ジェフ・チャン『ヒップホップ・ジェネレーション』より引用) 『ジョーカー』の舞台である1981年のゴッサム・シティは、貧富の差の拡大により、貧困と暴力が溢れている設定の“架空都市”だ。しかし「主人公アーサーの生活拠点をサウス・ブロンクスで撮影することに決めた」という監督の発言からもわかる通り、そこには70年代後期~80年代前半のニューヨークの風景が重ねられている。その当時のサウス・ブロンクスは貧困の象徴であり、行政に見捨てられた地域だった。市民の怒りは1977年7月13日に発生した「ニューヨーク大停電」の時に爆発し、暗闇の街では略奪と破壊行為が繰り広げられたーー暴動だ。 そんな混沌と
養生テープで窓に目張りをして、Amazonで水を注文する。日持ちのするパンやカップ麺、無洗米を買い置き、カセットボンベや電池、懐中電灯に携帯ラジオまで確保して、モバイルバッテリーを満充電に。 浴槽や洗濯機に水を溜め、すぐに避難ができるようリュックサックに諸々を詰める。暇つぶしのためiPadに映画を何本かダウンロードすれば、台風19号への準備は万全だ。相方と二人三脚で台風対策に精を出した。 私はこれまでに、台風に対する備えというものをほとんどしたことがなかった。今回特に力を注いだのには、先の台風における千葉県の惨状が記憶に新しかったというのもあったけれど、相方と暮らしていることのほうが大きい。私一人がくたばるならともかく、相方だけは守らなければならない。 私は日本随一の台風王国・石垣島に生まれ育った。幼い頃から年に二~三発はそこそこのクラスの台風に見舞われてきたので、台風に対する慣れが都会の
東京の荒川区に住み始めたのは00年代の初めのことだから、かれこれ20年近くのお付き合いとなる。途中一回勤め先近くの台東区に浮気したが、どうしても荒川区の引力に抗えず、戻ってきた。区内で計5回引越している。引っ越し貧乏の典型である。 荒川区に住み始めたころ、わりとすぐに隅田川との関係を思うに至り、図書館とかで調べまくった。別に駐車場として使われているわけではない一階のある「高床式」の建物がやたらある、というのに気づいて「あ、これ水害対策かな」と思ったのがひとつ。あと、とにかく道・小路が入り組んでいて、直線という概念が適用できるのが尾竹橋通りぐらいしかなく(あと藍染「川」通り)、一歩間違えるととたんに迷宮になってしまう道の成り立ちを見て、「あ、永代借地権と暗渠の名残りかな」とおもったのがもう一つ。ようするに、隅田川(旧荒川)とその支流の小さな川(暗渠化している)の水害が酷くて、堤防が整備された
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