(英エコノミスト誌 2012年9月29日号) 自民党は新総裁に安倍晋三氏を選び、日本とその近隣諸国に衝撃を与えた。 日本国民はまたしても、政治は自分たちにきつい冗談を投げかけることしかできないのかと、首をかしげているに違いない。 野党・自民党は9月26日、国家主義者でかつて首相を務めた安倍晋三氏(58歳)を、次の総選挙に向けて党を率いる総裁に選んだ。安倍氏は2007年に、政治の失敗とストレスによる腸疾患を理由に、わずか1年で首相を辞任したにもかかわらず、だ。 安倍氏が選ばれたことは、自民党が数カ月以内に政権を奪取する見込みが十分あると思っていた一般党員にとっては、とりわけ衝撃的な出来事だった。 一般党員の間で一番人気だった石破茂氏は1回目の投票では最多の票を獲得したが、過半数には達しなかった。 2回目の決選投票は自民党所属の国会議員のみが投票権を持つが、議員たちは一般党員の意向を無視した。
(2012年10月2日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 「これは、どうしてもやらねばならぬことなのです。もし皆さんが、馬にまたがる自分の像をいつか造ってもらいたいと望むのであれば」 欧州の将来について大胆な決断を下すよう仲間たちに促した時、ヴァレリー・ジスカール・デスタン氏は恐らく冗談でそう言ったのだろう。しかし、元フランス大統領のこの言葉は、現在の通貨ユーロを巡る大混乱を引き起こした心理を解き明かしてくれている。 欧州統合で歴史に名を残そうとした人々 欧州連合(EU)は今、前の世代の「偉大なヨーロッパ人」の過剰な自信がもたらした帰結への対応に追われている。通貨ユーロを生み出した人たち――ドイツのヘルムート・コール元首相や、ジャック・ドロール元欧州委員会委員長など――は、ジスカール・デスタン氏と同様に歴史に名を残したいと思っていた。 しかし、単一通貨をその中核に据えた、統合された欧州を遺
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