『公共圏に挑戦する宗教—ポスト世俗化時代における共棲のために—』 ユルゲン・ハーバーマスほか編 箱田徹・金城美幸 訳 岩波書店 原著のタイトルは、The Power of Religion in the Public Sphere である。直訳すれば、『公共圏における宗教の力』だ。本書には、このテーマを巡る4つの論考と各論者のコンパクトな討論、主催者のまとめ、そして、ドイツの哲学者ユルゲン・ハーバーマスのインタビューが収録されている。もとになっているのは、2009年10月に行なわれたニューヨーク大学、米国社会科学研究会議、ニューヨーク州立大学の3学術機関による共催イベントである。邦訳で200ページ少しの作品だが、米国における「宗教と公共圏」をめぐる議論とそのエッセンスを知ることができる好著である。 「公共圏」という語は、一部の学者の間では半世紀ほど前から議論されてきたものの、日本の一般
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