安倍首相の年頭所感は「デフレと円高からの脱却による経済の再生だ」として、経済の他にも教育、外交を立て直す方針を掲げ、「一つ一つ『結果』を出していくことにこだわり続ける」と決意を表明した。 安倍政権では、経済政策として大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略を掲げている。筆者としてもっとも注目するのが金融政策である。 経済政策の国際比較を研究する筆者からみると、先進国にあって日本であまり考慮されないものとして、マクロ経済政策としての金融政策がすぐ浮かぶ。本コラムで再三指摘してきたように、先進国ではマクロ経済政策の中心は金融政策だ。 インフレ目標に基づく金融政策は先進国では当たり前だ。雇用政策としての金融政策も先進国では常識だ。ところが、日本ではインフレ目標に基づく金融政策も、雇用政策としての金融政策にも、強力な反対があった。 筆者が小泉政権の時、政策としていつも意識してい