令和への「代替わり」から1年が経つ。5月1日の剣璽等承継の儀の後、即位後朝見の儀をテレビで見た人々は多かったように思う。平成から令和へ切り替わる瞬間には多くの人々が街でカウントダウンのような騒ぎをしている様子も見られた。この1年間の当初、その熱狂のような「代替わり」を人々は積極的に受け止め、また自身も参加していたように思われる。 天皇は即位後朝見の儀での「おことば」のなかで、「平成流」の明仁天皇のあゆみを高く評価していた。「国民と苦楽を共に」することを、被災地訪問などを積極的に繰り返して自らの姿を見せることで人々に示そうとする上皇のこれまでの足跡にあえて言及し、「強い御心を御自身のお姿でお示しになりつつ」と形容して、自身にその姿が強く印象づけられていることを内外に示したのである。いわゆる「平成流」については、天皇の権威にはそぐわないとして批判もあったが、天皇は「平成流」を自身が継承していく