路上で暮らす犬に予防接種をするため、保護するアテネ市職員。人に慣れていて、ほえたり抵抗することはなかった=石田博士撮影ギリシャの首都アテネで2011年10月、反緊縮を訴えるデモ隊に催涙ガスを放つ警官隊と、立ち向かう「デモ犬」=ロイター。この犬も「住民登録」された地域犬だった 【アテネ=石田博士】経済危機に見舞われているギリシャで、捨て犬や捨て猫が急増している。飼い主がえさ代を負担しきれなくなったのが理由のようだ。アテネでは動物保護に使われる市の予算も半減。それでも市は「一頭も殺処分しない」との方針を守り続けている。 アテネの住宅街を、毛がまだらに抜けた白い犬がとぼとぼ歩いていた。足にけがをしている。 市民からの電話を受けて来た市職員のシオヨスさん(52)は、驚かさないようにゆっくり追った。この日は結局逃げられた。「むりやり捕まえることはない。えさを置いたりして警戒を解き、保護する」と