ギリシャ文字などが無作為に打ち込まれた1冊6万4800円(税込み)のシリーズ本「亞書(あしょ)」が国立国会図書館に納本され、発行者に「代償金」(本の定価の半額と送料)の一部が支払われた問題で、同図書館は2日、本を返却し、支払った代償金の返還を求めると発表した。いったん支払った代償金の返還を求めるのは初めて。 国会図書館によると、「亞書」は昨年3~10月に78巻が納本され、オンライン書店で一時販売されていたことなどから「広く一般に頒布されている出版物」として受け入れ、規定に従い代償金の一部約136万円を支払った。しかし、高額本の大量納本が、ネットなどで「代償金目当てではないか」と問題視され、出版した男性(26)から面談や文書で出版の意図や頒布状況、作成部数などを聞き取った。 男性は「納本は適法だった」と主張したという。朝日新聞の昨年10月の取材に対しても、男性は代償金目当てであることを否定し