ネコのお腹にスリスリすると意外なプレゼントがもらえるかもしれません。 アメリカのカリフォルニア大学で行われた研究によれば、ネコの皮膚に棲み着いている常在菌を使って、マウスの皮膚感染症の治療に成功したとのこと。 どうやらネコの皮膚には複数の抗生物質を分泌する非常にユニークな細菌が棲んでいるようです。 研究内容の詳細は10月19日に『eLife』に掲載されています。
うつ病は脳回路の変化と関連しています。 さらに新しい研究では、うつ病が視覚情報の処理にも影響を与えると判明しました。 フィンランド・ヘルシンキ大学の精神医学者Viljami Salmela氏ら研究チームは、うつ病患者の脳が健康な人とは異なったコントラスト処理を行なっていると発表したのです。 研究の詳細は、学術誌『Journal of Psychiatry and Neuroscience』に掲載されました。 Visual Illusion Reveals That Depression Can Change How We Physically See The World https://www.sciencealert.com/study-shows-how-depression-really-does-change-how-we-see-the-world
頭から胴体を丸ごと切断してしまうウミウシが発見されました。 この新行動は「コノハミドリガイ」と「クロミドリガイ」の2種に確認され、いずれも切断された頭部から胴体を再生させています。 発見者の奈良女子大学大学院、三藤清香(みとうさやか)氏によると「心臓のある胴体を再生させるウミウシは初めて見つかった」とのこと。 一体、何が目的で胴体を捨てているのでしょうか。 研究は、3月8日付けで『Current Biology』に掲載されています。 Scientists Surprised by Sea Slugs That Sever Their Own Heads and Regrow Brand-New Bodies https://scitechdaily.com/scientists-surprised-by-sea-slugs-that-sever-their-own-heads-and-re
南米アマゾンに生息する「デンキウナギ」は、1匹で860ボルトの電流を発生させられます。 彼らは単独で狩りをするのが基本ですが、このほど、ブラジルの熱帯雨林で群れをなして狩りをするデンキウナギが初確認されました。 撮影された映像では、死の電気ショックを浴びた大量の小魚が、いっせいに水面に飛び上がる様子が見られます。
太陽光のエネルギーを数ヶ月蓄える新材料新材料はUV光を位置エネルギーとして保存し、熱として放出する。 / Credit:Kieran Griffiths et al.,Chemistry of Materials(2020)ランカスター大学の研究チームが発表した新しい結晶性材料は、太陽のエネルギーを取り込んで室温で数カ月間も貯蔵でき、必要に応じて熱の形で放出されることができると言います。 これが実現すれば、ライフラインからは独立したオフグリッドシステムとして利用することができ、遠隔地の暖房や、非常時の補助暖房として活躍できるかもしれません。 また環境にも非常に優しい価値あるエネルギー源としても期待できます。 では研究はどうやってそれを実現させたのでしょう? これにはMOF(金属有機構造体)と呼ばれる特殊な材料が利用されています。 MOFは金属イオンのネットワークで構成された多孔質な材料のこ
丈夫な体を持つ甲虫の中で、最強クラスの防御力を持つ虫がアメリカにいます。 「ディアボリカル・アイアンクラッド・ビートル(悪魔の鋼鉄甲虫)」と呼ばれる昆虫です。 わずか2センチほどの体長ながら、天敵に捕食されることはほぼありません。体が頑丈すぎて、噛むことも飲み込むこともできないからです。 アメリカ・カリフォルニア大学の研究チームは、この頑丈さの秘密を解明するため、外骨格の構造をナノスケールで詳しく調べました。 その結果、2枚の前翅(昆虫の前部の翅)が互いにくっついて、インターロッキング式に組み合わさっていたことが判明しています。 この研究は、10月21日付けで『Nature』に掲載されました。
最強の生存能力を有するクマムシに、新たな特性が発見されました。 10月14日に『Biology Letters』に掲載された論文によれば、新種のクマムシは、暗闇で青く光ることで有害な紫外線から体を防御していることが示されました。 しかしクマムシが暗闇で光ることが、どうして紫外線から身を守ることにつながるのでしょうか?
デバネズミは目で磁気を感じている可能性がある実験で使われたデバネズミは他の地下に棲むげっ歯類と比べて比較的明確な目の構造を保持している / Credit:zoo-leipzigアフリカの地下に棲む、デバネズミの一種(学名: Fukomys anselli)は、巣作りにおいて興味深い習性が知られています。 彼らが地下に張り巡らせた巣の多くが、一定方向に向けて広がっているのです。 彼らのこの奇妙な習性は生まれ故郷から離れたドイツの実験室でも再現され、円形の飼育環境において巣は、ほとんどが南西方向に拡張されていきました。 デバネズミが何らかの方法で磁気を感じ取っていると予想されていましたが、体のどの部分で、どのように感知しているかは不明でした。 一方、実験に使われたデバネズミには、他の地下生活をおくるげっ歯類と大きく異なる部分がもう一つありました。 他の地下住まいのげっ歯類の多くは、目が退化を起
Googleの研究者たちによって、化学反応を量子コンピュータでシミュレートすることにはじめて成功しました。 シミュレートされた反応自体は非常に簡単なものですが、量子コンピュータのより汎用的な用途に向けた大きな第一歩です。 8月28日に「Science」に掲載された研究によると、使用されたのは「Sycamore(シカモア)」と呼ばれる54量子ビットを備えた量子コンピュータとのこと(量子ビットについてはこちらの記事も参考に)。 このSycamoreは2019年に従来型のコンピュータが1万年かかる計算を僅か200秒で解き、量子コンピュータの優位性(量子超越性)を実証したことでも有名です。 量子コンピュータの参戦により、化学シミュレーションの世界に激震が訪れようとしています。
細菌(バクテリア)は、病気の原因だったり、不衛生な場所に発生する嫌な印象もありますが、生物が生きていくために欠かせない重要な存在でもあります。 私たちの消化を助けるのも、木が土中から得る窒素を供給するのも彼らです。細菌は地球の栄養素を循環させるために大きな役割を果たしているのです。 そんな細菌たちは、驚くほど極限状態でも生き抜く力を持っています。 南極の土壌から新たに発見された細菌は、この何も栄養源の無い場所で、空気だけで生存できることが確認されています。 そして新たな研究は、この霞を食べて生きる仙人のような特殊な細菌が、現在私たちがもっとも悩んでいる地球温暖化の解決に役立っている可能性を見つけたのです。
シャコは、生物界一のハードパンチャーとして有名です。 ハンドスピードは、プロボクサーの時速30〜50キロに対し、シャコは驚異の80キロ超え。威力もハンパではなく、人の指くらいなら簡単に折ってしまいます。 シャコは、自分のパンチ力で関節を痛めないよう手加減しているという研究もあるほどです。 このシャコパンチで、魚を気絶させたり、カニの硬い殻をぶち割ったりしますが、それでいてシャコの拳には傷ひとつ付きません。 その謎を解明するべく、米・カリフォルニア大学は、電子顕微鏡を使って、シャコの拳の秘密に迫りました。 その結果、シャコの拳には、パンチの衝撃を吸収・分散できる「自家製サポーター」が施されていることが判明します。
セミをゾンビにさせる恐ろしいゾンビ化菌(マッソスポラ)が存在します。 マッソスポラによってゾンビ化したセミは腹部がないまま飛び回って胞子を撒き散らし、同性異性構わず相手を誘って交尾しようとすることがの研究で知られていました。 セミに寄生して、オスメス関係なく交尾させる菌がいる – ナゾロジー これだけでもかなりグロくて恐ろしいのですが、最新の研究によって、マッソスポラは感染したセミの心と体を菌がどうのように支配していくのかが判明しました。 マッソスポラに感染したオスのセミは、オスでありながらメスの求愛行動である「羽ばたき」を行い、別のオスを誘惑し、性行為を行おうとしていたのです。 ゾンビ化したセミは生殖器を中心とした腹部が脱落して、マッソスポラの胞子嚢に変化しているため既に子孫は残せませんが、性行為の真似事を通して、相手を感染させることができます。 性行為した相手をゾンビ化させ、さらなる感
イカの環歯は自己修復能力を持っているイカの環歯の遺伝子を書き換え改良することで自己修復能力を強化した新素材を作った新素材は損傷をわずか1秒で修復する能力があった 近年の急速な合成生物学の進歩によって、生命の設計図ともいわれる遺伝子を、新素材のレシピとして使うことを可能になっています。 生物の能力を新素材に取り込むことで、既存の非生物学的な素材には獲得不可能であった特性を得ることができるのです。 中でも自己修復能力は非常に生物的な能力であり、幅広い分野で活躍すると期待されています。 そこで今回、合成生物学の研究者たちは、イカの環歯(吸盤の中にあるリング状の歯)の再生能力を改良し、損傷を1秒以内に自己修復する柔らかい新素材を開発しました。 これまで多くの自己修復能力を持った素材が開発されてきましたが、どの素材も修復には数時間から数日を必要とし、多くは修復後の強度が低下します。 しかし今回、イカ
1991年、遠隔操作ロボットを使ってチェルノブイリ原子炉内の調査が行われました。 そのとき、なんと破壊された原子炉4号機の壁に沿って、カビが繁殖していることが発見されたのです。 これは黒カビの1種で、後の研究により放射線をエサにして成長していることが確認されました。 今回、研究者たちは、この菌を利用すれば放射線を遮断するシールドが作れるのではないかと考え、その可能性を示す論文を発表しました。 これは放射線で傷つけられても自己修復する夢のシールド技術の誕生に貢献するかもしれません。 実現されれば火星に人類が移住した際のコロニーで、太陽による強力な放射線の影響を完全に遮断することも可能だといいます。 将来の宇宙船や、火星コロニーはまるで古びた遺跡のように、苔むした外観になるのでしょうか? 今回の研究者Xavier Gomez氏とGraham Shunk氏は、放射線を吸収できる真菌が存在するとい
Ever wonder why dogs need to get themselves into just the right position to do their business? As it turns out, dogs align their body axis according to Earth's magnetic field when they squat to poop—a behavior that changes when the magnetic field is unstable. But why do they do it? The results of this recently published paper from Frontiers in Zoology sound goofy, but the takeaway is all in the ti
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