「原発事故について、正しい情報を身につけて欲しい」。毎日新聞元科学環境部部長の斗ヶ沢秀俊さんのツイートが話題である。科学的に不確かな記事であれば自分の会社の記事にでも辛辣に斬り込み、データを地道に伝え続ける科学記者としての姿勢に共感を持つ人も多い。斗ヶ沢さんに、「リスクとの付き合い方」を聞いた。(聞き手=ノンフィクション・ライター神田憲行) * * * 斗ヶ沢 原発反対派のなかには、原発反対と言いたいがために、福島の影響が重大だと言わなければならないと思い込んでいる人がいる。しかし「脱原発」と「放射線影響の評価」は分けて論じられなければいけません。 ――しかしメディアは「危ない」というニュースは大きく取り上げ、「安全だ」というニュースの扱いは小さいですよ。 斗ヶ沢 記者の中の少なくない部分で、「危険性を強調することが進歩的である、市民的である」という誤解があります。それは決して悪いことばか
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