安倍晋三首相は13日の自民党大会で、国会答弁などで再三意欲を示した憲法改正には一切触れず、夏の参院選に向けてアベノミクスの「成果」を強調した。これまでも選挙前には経済対策を中心に訴え、選挙後に集団的自衛権の行使容認や安全保障法制など肝いりの政策を一気に推し進める手法を繰り返してきた。自民党内にも「参院選後の改憲推進」を前提とする空気が広がっている。 安倍首相は党大会の演説で、国会議員や参院選の立候補予定者、地方組織幹部ら約3500人を前に声を張り上げた。「アベノミクスとは何か。雇用を増やし収入を増やすことだ。経済政策は間違いなく結果を出している。名目GDP(国内総生産)600兆円に向かって歩みを進めていく」 約20分間の演説ではアベノミクスの効果を訴える数字を並べた。「デフレ不況で失われた国民総所得を40兆円奪還」「110万人以上の雇用増」「有効求人倍率は24年ぶりの高い水準」「最低賃金は