アップルではやり尽くした アップルを離れてからの5年間、ジョナサン・アイブは何をしていたのか──彼が所有する土地にそのヒントが眠っている。 数億ドルもの資産を持つアイブは、サンフランシスコのジャクソン・スクエアにある複数の不動産を、4年かけて手に入れた。 最初の物件を購入したのは、新型コロナのパンデミックが始まったばかりの頃だった。当時、IT業界の大物はこぞってサンフランシスコを脱出していた。だがアイブには、1990年代に移住してきたこの土地を去るという選択肢はなかった。 「サンフランシスコは、たくさんの優秀な人材を惹きつけてきた土地です。ところがパンデミックで社会が停滞したとたん、多くの人が離れていきました。しかし私は、この街に恩義を感じていました」 白い長袖のパーカーとチノパン、クラークスのワラビーシューズといういで立ちで取材に応じるアイブは、このエリアにクリエイティブな人々を集めたい