健全財政論者の口癖は「打ち出の小づちはない」 財政支出の仕組みを理解すると、2021年に話題となった矢野康治財務省事務次官の論文が、その出だしからいきなり間違えていることが分かります。冒頭部分を引用しておきましょう。 〈最近のバラマキ合戦のような政策論を聞いていて、やむにやまれぬ大和魂か、もうじっと黙っているわけにはいかない、ここで言うべきことを言わねば卑怯でさえあると思います。 数十兆円もの大規模な経済政策が謳われ、一方では、財政収支黒字化の凍結が訴えられ、さらには消費税率の引き下げまでが提案されている。まるで国庫には、無尽蔵にお金があるかのような話ばかりが聞こえてきます。〉 何が間違っているのでしょうか。 そうです。「まるで国庫には、無尽蔵にお金があるかのような話」というところですね。どうやら、矢野次官は、政府が課税によってお金を徴収して国庫に入れ、それを出して支出しているものと勘違い
![日本の財政支出は全然足りない…現金給付を反射的に「バラマキ」と批判する落とし穴 コロナ禍で困っている全員を対象にしてもいいはずなのに](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/0e300c07ec40dda77b1359eac5c28ffa5fb8969b/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fpresident.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2Ff%2Fa%2F1200wm%2Fimg_faae753d7cd682ef0808d0c92c27af674271801.jpg)