いままでのシステム部門は、システムを整備・維持することが主な仕事であった。ユーザー部門の御用聞きに徹し、彼らの要望にもとづくシステムを作り、それを維持する「システムのお守り役」を担っていた。 しかしながら、今のシステム部門は経営層からの期待に応えていない。前回の『経企部門が吐露する「システム部門への不満」』で紹介したように、「なぜ事業戦略の遂行にもっと関与できないのか」「なぜ変革を促すような提案を積極的にできないのか」「なぜ成果に対する説明責任を果たせないのか」――といった不満があがっている(図1)。 このことはシステム部門が「単なるシステムのお守り役」ではなく、システムという道具を駆使して「ビジネスを変革する集団」としての役割が期待されていることの表れであろう。こうしたビジネス変革集団を、ここでは「ビジネス・トランスフォーメーション・オフィス(BTO)」と呼ぶことにする。 前回述べたよう