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ブックマーク / cpplover.blogspot.com (18)

  • macOSのM1とx86-64におけるベンチマーク比較の考察

    世間ではAppleの新しい製品に使われるARM64 CPUであるM1の話題でもちきりだ。ただし、日語を話す記者というのは極めて非科学的かつ無能であり、M1の現物を手にしても、末端のソフトウェアを動かして、体感で早いだの遅いだのと語るだけだ。そういう感想は居酒屋で酒を片手に漏らすべきであって、報道と呼ぶべきシロモノではない。 と思っていたら、Phoronixがやってくれた。M1とi7で動くmacOSでベンチマークをしている。 これを考察すると、M1のMac Miniは、一世代前のi7のMac Miniに比べて、メモリ性能とI/O性能が高く、演算性能は低いようだ。このことを考えると、M1の性能特性としては、動画のエンコードやソフトウェアレイトレーシングをするには不向きだが、その他の作業は遜色ないだろう。 問題は、仮想化とRosettaを組み合わせることができないという点だ。x86-64のユー

  • AMDのZen 2でRDRANDが-1を返すので最近のGNU/Linuxがブートできない問題

    AMDのZen 2アーキテクチャの新製品が発売されて沸き立っているが悲しいお知らせがある。最近のGNU/Linuxディストロはブートしない。例えばUbuntu 19.04はブートしない。 理由は、ハードウェア乱数を返す命令、RDRANDに不具合があり、常に-1を返すのだという。このため、rdrandを直接使っているsystemdが失敗し、結果としてブートできなくなる。 AMDによればこの問題はBIOSアップデートで修正可能であるという。しかしこれはとても怪しい陰謀論を考えたくなる。なぜRDRANDが常に-1を返すような不具合が未然に発覚せずに製品リリースまでこぎつけてしまったのか。なぜファームウェアのアップデートで修正可能なのか。まさかバックドアなのではないか。 陰謀論はともかくとして、もう一つの問題は、なぜsystemdはRDRANDを直接使っているのかということだ。Linuxカーネルの

  • 職質裁判一審で不当判決、曰く、110番通報を要請することは不審事由にあたる

    警察官に職務質問をされた話が2017年の7月、これが違法な職務質問であると考えたので国賠訴訟をし、一審判決が今日言い渡された。 曰く、「原告の請求を棄却する」。負けたわけだ。ではなぜ負けたのか。判決の言い渡しでは主文しか読み上げられないので、判決文を取りに行く。 当日は、東京都(警察)の主張によれば、パトカーで私とすれ違った際、私を視認し、しばらくみていたところ、私はパトカーを見るなり顔を伏せて足早に通り過ぎたということだ。裁判所は東京都(警察)のこの主張を採用しなかった。というのも、車道と歩道の間には植え込みが多くあり、私をしばらく見るなど不可能であるからだ。したがって今回の職務質問は適切な不審事由なしで始まっていることが認められた。 その後10分間ほど、私を路上にとどめて職務質問が行われた。裁判所はこれを適切であると判断した。不審事由がなく始まった職務質問ではあるが適切だそうだ。 その

  • 兵庫県警は魔法と科学の区別がつかない:JavaScriptプログラムによる補導が間違っている件について

    不正プログラム書き込み疑い補導|NHK 兵庫県のニュース クリックすると同じ画面が表示され、消えなくなる不正なプログラムのアドレスをインターネットの掲示板に書き込んだとして、13歳の女子中学生が兵庫県警に補導されました。 兵庫県警は魔法と科学の区別がついていない。そのようなJavaScriptプログラムには何の問題もなく、問題はそれを閲覧したユーザー側のブラウザーにある。 「クリックすると同じ画面が表示され、消えなくなる不正なプログラム」というのがどのように実装されていたかは知らないが、最も簡単で原始的なものは、アラートを繰り返し表示し続けるプログラムだ。 while (true) alert("Hello") ; このプログラムを実行すると、アラートが繰り返し表示され続ける。ところで、このプログラムを実行しているのは閲覧者のコンピューターとブラウザーだ。このプログラムを提供したものの責任

  • 本の虫: 帰ってきたきれいなリーナス・トーバルズ、無作法な開発者をたしなめる

    Linus Torvalds Shows His New Polite Side While Pointing Out Bad Kernel Code - Phoronix 人の心の読み方を学んで復帰したリーナス・トーバルズは、さっそく無作法なプルリクエストをたしなめている。その文章は大文字センテンスも4文字言葉も使っていない優しいものに変わっている。 問題はプルリクエストはBigBenゲームコントローラーに対するドライバーの追加で、このドライバーはデフォルトで有効にされていた。これはLinuxカーネルの慣習にそぐわないものだ。新しく追加された名前もきいたこともないようなデバイス用のドライバーが、いきなりカーネルでデフォルトで有効にはされないものだ。新参者のドライバー開発者は、大抵自分のドライバーはとても重要で、自分の所有しているデバイスは全員所有しているのでデフォルトで有効にするのは当然

  • 本の虫: Linus、今までの行いを謝罪し一時的にカーネルメンテナーの立場を退いて人の気持ちを勉強してくると発言

    Linus、今までの行いを謝罪し一時的にカーネルメンテナーの立場を退いて人の気持ちを勉強してくると発言 完全に背景事情を調べ上げたわけではないのだが、どうもLinusが毎年参加しているLinuxカーネルの会議に、Linusがスケジュールを間違えて参加できなくなるという事態が発生した。当のLinus人はもう20年も続いている会議だし自分がいなくてもやっていけるだろうと楽観視していたが、会議自体がLinusの都合にあわせてリスケジュールされた。 LinuxにおいてLinus Torvaldsといえば第一人者であり極めて重要な存在で、そのLinusが毎年参加している重要な会議にLinusが参加できないとあれば、その他のあらゆるコストを度外視して根回し調整を行い、Linusが参加できるようにイベント全体のリスケジュールを行うのは人間の感情から考えて当然である。しかし当のLinus人は他人の感情

  • 麻布十番で職務質問を受けた話

    残暑も残る8月27日の日曜日のことであった。その日、私は知人のぽんこつさんが自宅でボードゲーム会を行うというので、昼からぽんこつさんの住んでいる麻布十番に出かけた。 ぽんこつボドゲVer17.08 - connpass その日の私の出で立ちは、7月3日に受けた違法な職質のときと同じ、帽子、即乾シャツ、即乾アームカバー、デニム生地風ストレッチパンツ、半長であった。 の虫: 警察官に職務質問をされた話 また、リュックの中にはボードゲームを満載し、かつボルダリングの道具も入れていた。これはぽんこつさんの自宅近くにスパイダーというクライミングジムがあり、ボドゲ会が終わった後に行こうと考えたためである。 約束の12時に間に合うよう、余裕を持って家を出たつもりであったが、待ち合わせ場所の麻布十番駅についたときにはすでに12時20分。ぽんこつさんの姿は見当たらない。 これはうっかり出遅れた。ぽんこつ

  • ここらでもう一度マストドンについて語っておくか

    オレが間違っていたぞ、清水亮。 なんで「オレが間違っていた」と最初に書けないのか。つまんねープライドもってんなー -- 清水亮 https://mstdn.onosendai.jp/users/shi3z/updates/1002 前回、前々回と、マストドンについての批判を書いた。結論を先に書くと、私の技術上の懸念以外の懸念はすべてあたらなかった。 の虫: そろそろマストドンについて語っておくか の虫: マストドンが直面している問題はすでにP2P技術が15年前に遭遇した問題だ そうこうしていると、ドワンゴがマストドンのインスタンスを立ち上げた。 https://friends.nico/ これはなかなか興味深い。というのも、私はドワンゴに雇用されているので、ドワンゴが悪意を持っているかどうかについては内部の情報があるため判断しやすい。マストドンはインスタンスの管理者が悪意を持っているか

  • npmからkikとその他諸々が消されたまとめ

    npmとは、node.jsにおけるパッケージシステムのことだ。npmを使えば、他人の書いたnode.jsベースのプログラムとライブラリの入手と利用がとても簡単になる。 そのnpm界隈が混乱している。発端は以下のURLだ。 I’ve Just Liberated My Modules — Medium Azer Koçuluはkikという名前のnpmパッケージを公開していた。このkikというソフトウェアの中身についてはここでは関係がない。 さて、それとは別に、kik.comというスマフォ用のチャットアプリを出しているKik Interactive社がいて、kikという名前のパッケージをnpmで出したいので、名前を明け渡すように要求した。 Azerはこの要求を拒否した。すると、Kik Interactive社はnpmの管理者に片っ端からメールを投げまくり、そのうちの一人が反応して、Azerの意

  • 500マイル以上離れた場所にメールが送れないのだが

    http://web.mit.edu/jemorris/humor/500-miles From: Trey Harris <trey@sage.org> 今から私が書く話は、起こりようのない問題についてだ。この話を広く一般に公開してしまうのは惜しい。というのも、いい酒の話のネタになるからだ。この物語は、退屈な詳細や問題を隠すために、多少事実を変えていて、物語を面白く脚色している。 数年前、私はキャンパスのメールシステムを保守する仕事をしていて、統計学部の学部長から電話を受けた。 「大学の外にメールを送るのに不具合が発生しているのだが」 「どんな問題でしょう?」と私はたずねた。 「500マイル以上メールを送れないのだよ」と学部長は説明した。 私はラテを吹き出した。「何だって?」 「ここから500マイル以上離れた場所にメールを送信できないのだよ」と学部長は繰り返した。「実際は、もう少しあるの

  • rm -rfしちゃったけどどうする

    rm -rf remains rm -rfの後に残りしもの 遊びのために、筆者は新しいLinuxサーバーを立ち上げて、rootでrm -rf /を実行して、何が残るかをみてみた。どうやら、今のrmというのは筆者のようなアホを相手にしなければならない未来に生きているようなので、実際に実行するには、--no-preserve-rootをつける必要があった。 # rm -rf --no-preserve-root / かかるおろかなる行為の後では、 /bin/ls /bin/cat /bin/chmod /usr/bin/file のような、偉大なるツールのたぐいはみな消え失せてしまった。まだ、ssh接続とbashセッションは生きているはずだ。つまり、bashの組み込みコマンドであるechoとかは残っているということだ。 Bashマクガイバーたれ root@rmrf:/# ls -bash: /

    rm -rfしちゃったけどどうする
  • みなさんスラッシュドットから出てこないほうがいいですよ。

    Objective-Cという汚らしい言語を長年強制し、プログラマーを絶望の淵に叩き込んでいたAppleが、とうとう新言語を発表した。名前はSwiftという。 iTunes - Books - The Swift Programming Language by Apple Inc. ただし、現時点で、Swift言語仕様書のダウンロードと閲覧に、Appleの独自仕様満載の不自由なデバイス、の上で動く不自由なOS、の上で動く不自由な閲覧ソフトウェアが必要だ。そのため、筆者は未だに言語仕様書を読めずにいる。これをもってこれをみると、Appleの新言語にかける姿勢が如実に現れていると言えよう。すなわち、Appleの不自由なシステム以外は、市場として考慮する必要がないということに違いない。事実、Objective-Cは、Appleの不自由なシステムでプログラミングするにあたって、仕方なく使わなければな

  • OpenBSD、怒りのコミット

    OpenSSLのheatbeatバグの対応のため、OpenBSDはOpenSSLのheatbeatを無効にするコミットをした。ただし・・・ src/lib/libssl/ssl/Makefile - view - 1.29 SegglemannのRFC520 heatbeatを無効化。 あのまともなプロトコルひとつ制定できないIETFの無能集団が、超重要なプロトコルで64Kの穴をこしらえるとか、マジであきれてものも言えねーわ。奴らはマジこの問題を気で検証すべきだろ。なんでこんなことをしでかしたのか。こんな事態を承認した責任ある連中を全員、意思決定プロセスから取り除く必要がある。IETF、てめーは信用なんねぇ。 このコミットは、Makefileの中で、OpenSSLでheatbeatを無効にするマクロを定義するよう、コンパイラーオプションを指定するものだ。ただし、無効にするマクロは、OPE

  • Quake IIIを走らせる完全に自由な新規のRaspberry Pi用のGPUドライバーが公開

    Quake III bounty: we have a winner! | Raspberry Pi 今年のはじめ、Broadcomは、VideoCore IV graphics coreのGPUドライバーの仕様とGPUドライバーのソースコードを公開した。このGPUはBCM21553に搭載されているものであり、すなわち、Raspberry PiのGPUである。 Android for All: Broadcom Gives Developers Keys to the VideoCore® Kingdom | Broadcom Connected これにより、Raspberry PiのGPUスタックが自由になった。また、完全に独立した自由なGPUドライバーを作成するための情報が出揃った。 これを記念して、Quake IIIをRaspberry Piの新規のGPUドライバー上で最初に動作させ

  • iBus 1.5がクソすぎる

    Ubuntu 13.10へのアップデートが、問題なく終わった。問題は、iBusが1.5にアップデートされてしまったことだ。 iBus 1.5は、去年の年末にリリースされた。リリース直後から、IRCでは怨嗟の声が絶えなかったが、今になって、ようやくその意味がわかった。iBus 1.5はひどい。ひどいなんてものじゃない。クソだ。いや、クソですら上品過ぎる。iBusは超超超超超・・・残念ながら、まだiBusを罵るべき言葉が発明されていないが、とにかくその超なにかだ。 UNIX風システムでは、伝統的に、日本語入力は、かな漢字変換を担当するIMEと、IMEと文字入力を受け取るアプリケーションの間の橋渡しをするIMに分離されている。ユーザーから見えるIMの役割としては、IMEの有効無効を切り替えることだ。 筆者はこれまで、IMとしてiBusを、IMEとしてMozcを使っていた。 iBusはIMである。

  • Back To The Futureのプロットホール

    ゼルダの伝説の時系列のバカバカしさを皮肉ったBack To The Futureのパロディ動画、Link To The Futureというものがある。その三作目で、ドク「タイヤの代わりに車輪を取り付けて汽車で押すというのはどうだ」、リンク「この時代のデロリアンから燃料抜き出して使えばいいんじゃねーの?」というやり取りがあり、はっと気がついた。そういえば、とてつもないプロットホールだ。 状況はこうだ。 BTTF2の終わり、1985年のドクの乗ったデロリアンは、1955年に雷に撃たれて誤作動を起こし、1885年に行ってしまった。ドクは1885年のウエスタン・ユニオンに依頼して、70年後の1955年のある場所に手紙を届けてくれるよう手配した。同時に、デロリアンを洞窟の中に隠し、70年後の1955年に発見されるようにした。 その後、ドクが射殺されることが明らかになり、マーティはドクを助けるために修

  • UEFIとLinuxの現状

    mjg59 | The current state of UEFI and Linux Matthew Garrettが、UEFIの実装の現状と、一部の悲惨な実装について語っている。 まとめ:大方、問題なく動く。 既知の問題: いくつかのサムソンのラップトップ。サムソンのラップトップのドライバーはちょっとばかりヘンテコになっている。問題のラップトップが出荷された2010年では、大半のベンダーは、ファームウェアに、ACPIにしろ、WMIにしろ、何らかのアブストラクション機構を作っていた。サムソンはいまだに時代遅れの手法を使っていた。特定のアドレス領域が与えられており、そのアドレスを読み込んでオフセット集を取得する。そして、そのオフセットを元にマジックナンバーをマジックシステムIOポートにオフセットを元になんとかすれば何かが起こる。その書き込みはシステム・マネジメント・モードを発動させる。これ

  • 我々はプログラミング雑誌を創刊す

    かつては、実に多くのプログラミング雑誌があったものだ。思い返せば懐かしい。雑誌に載っていたバイナリコードを、必死に打ち込んだ日を覚えているだろうか? カセットテープの音で、どのマイコンのデータかをあてる遊びをしたことはあるだろうか。かつては、NHKでさえ、記録テープを放送して、各家庭で録音させることで、マイコン向けのデータをブロードキャストしていたのである。 思えば、時代は変わった。我々のコンピューター技術は進化し、実に便利になった。誰か能く、リアルタイム3Dレンダリングを予想しただろうか。誰か能く、HD動画の、リアルタイムデコードを予想しただろうか。はた、今日のWebの興隆は如何。 コンピューターは進化し、便利になった。しかし、コンピューターをプログラムするのは、依然として、我ら人間である。プログラマである。プログラマが技術を習得すべきソースとなるのものは何ぞや。「ネットで誰かが書いてく

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