生きている喜びをかみしめる菊池さん一家。左から父俊二さん、裕子さん、母紀子さん=岩手県釜石市甲子町、本田写す 東日本大震災の余震が続く中、被災地には、停電が命の危機に直結する重度の在宅障害者がいる。避難所での集団生活は難しく、電動のたん吸引器や人工呼吸器が必要な人たちだ。自動車からの電源でしのいだり、緊急入院を余儀なくされたり……。家族や周囲の懸命な介護で乗り切ろうとしている。 岩手県釜石市甲子町の菊池裕子さん(27)は生後10カ月で過って風呂の残り湯に落ち、脳障害から体が不自由になった。居間のベッドに寝たきり状態で、母の紀子さん(61)がつきっきりで介護してきた。 流動食の食事や薬を1日3回、鼻から管を通して送り込む。むせてせき込むなど体がこわばる兆候が出るたびに、電動吸引器でたんを吸い出さないと、すぐに呼吸困難になる。 あの日、大きな揺れで棚のものが次々と落ち、裕子さんはパニッ