(英エコノミスト誌 2011年7月16日号) ソフトウエアよりもハードウエアを好む日本の傾向は薄れつつある。 「サムライは決してソフトウエアなど書かない!」――。日本の大手電機メーカーのある幹部は、夕食会で酒がどんどん振る舞われる中でこう叫んだ。 そうした考え方は日本で広く支持されている。「モノづくり」は男らしい。封建時代の刀の鍛造から現在の機械やマイクロチップに至るまで、男の中の男は目に見えるモノを作るために、休むことなく働いてきた。サービスの提供など、女々しい人間のすることなのだ。 時代遅れになってきたハード偏重主義 だが、サムライの伝統的な髪型と同じように、そのような態度も次第に時代遅れとなってきた。ビジネス用ソフトウエアの開発は今や日本の成長産業だ。日本の大手電機メーカーは次々と同分野に参入している。外国企業さえもが優秀なプログラマーを探し求めて日本にやって来る。 ソフトウエア企業