終戦から70年にあたる2015年も残り2カ月となった。振り返ると、米西海岸を拠点とする中国系反日団体が昨年から今年にかけて推進した計画はほぼ完遂された。日本側の現状認識に甘さはなかったか。反日団体はすでに来年に向けた動きを加速させている。 カリフォルニア州サンフランシスコの中華街に8月15日にオープンした中国国外初の海外抗日戦争記念館。中国系団体や中国政府関係者らがこの計画を発表したのは昨年7月7日。日中が全面戦争に陥った盧溝橋事件(1937年)からちょうど77年目を迎えた日だった。 当初は9月3日の「抗日戦争勝利記念日」の開館を想定していたが、館長に就任する同州在住の実業家、フローレンス・ファン(中国名・方李邦琴)氏が今年3月に訪中した際、「8月15日」に前倒しすることを発表していた。 確かに、抗日記念館は私有地での建設だったので、日本政府が公的機関に働きかけることは実質的に難しかった。