歴史的な円安が止まらない。財務省で為替政策を担う「財務官」も務めた渡辺博史・国際通貨研究所理事長は「日本の弱さがマーケットに見透かされた」と警鐘を鳴らす。どういうことなのか。日本が直面する危機の正体とは? ――政府・日銀の度重なるけん制にもかかわらず、円安が加速しています。 ◆為替市場で円安が止まらない背景の一つに、日米の金融政策の違いによる金利差拡大があることは間違いない。しかし、忘れてはならない大きな要因がある。それは日本の経済力・国力の低下がマーケットに見透かされているという厳しい現実だ。 日本はエネルギー、食料の海外依存度が高いという構造的な脆弱(ぜいじゃく)性を抱えている。1970年代から90年代はそれを自動車、白物家電といった産業力によってカバーしてきた。だが、いまの日本に脆弱性を補える要素はほとんど残っていない。かつての花形産業は海外勢に追い抜かれ、IT(情報技術)など成長分

