生活保護費減額訴訟の判決後、「勝訴」などと書かれた紙を掲げる原告代理人ら=宮崎市の宮崎地裁前で2023年2月10日、塩月由香撮影 「この冬はなるべく暖房を使わないようにしている。寒い日は昼間でも布団をかぶって耐えしのいでいる」 「長年、自炊をしてきたが、最近はガス代が高いので、火を使って調理することをあきらめた。電気代も高いので、電子レンジも処分した」 「食費を浮かすため、週末には片道1時間以上かけて歩き、ホームレス支援団体の炊き出しに通っているが、もともと悪かった足が痛くなって、つらい」 いずれも今年になって私が聞いた生活保護を利用している高齢者の声である。昨年来の食料品やエネルギー価格の高騰は特に低所得者の家計に大きな影響を与えている。 本来、生活保護制度は国が全ての国民に保障する「健康で文化的な最低限度の生活」(憲法25条)を具体化する仕組みであるが、現実にはこの冬、制度利用者が「寒