ピーチ、デイジー、ロゼッタ……マリオシリーズの女性キャラクターたちは長年、「囚われのお姫様」という型に縛られてきた。だが映画最新作を機に、任天堂はそのイメージを塗り替えようとしている。 キノコ王国に女王はいない。いるのはお姫様だけだ。 ピーチ姫はつい最近まで、任天堂が作り上げたその架空の世界の統治者でありながら、実質的にはさらわれ続ける存在だった。ときにはぐつぐつと煮えたぎる溶岩の上に吊るされたかごの中に閉じ込められていた。より複雑な人物像の片鱗は『ペーパーマリオ』シリーズなどのスピンオフ作品に見られ、そこでは誘拐犯に抵抗する姿が描かれていたが、あくまでも添え物にすぎなかった。 「囚われのお姫様」というお約束がようやく姿を消したのは2023年のことだ。『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』でピーチは、自身の安全よりも市民を優先する歴戦の戦略家として登場した。マリオの助けを待つだけだった

