今日、青空文庫で夢野久作の「ドグラ・マグラ」が公開された。ボランティアの皆さんの何年にもわたる地道な作業がついに陽の目を見たわけで、心からおめでとうと申し上げます。そしてお疲れさま、ありがとう、と。 夢野久作 「ドグラ・マグラ」(青空文庫) さて、ご挨拶はこれぐらいにして問題に対処せねばならない。どうすれば「ドグラ・マグラ」を読み通すことができるのか、という厄介な問題にだ。ただでさえこの作品は長いのだから、読み方のヒントまで長くするわけにはいかない。簡潔に書こう。 「ドグラ・マグラ」はエンターテイメントである これほど怪しげな噂にまみれた作品もない。いわく「日本三大奇書のひとつ」、いわく「これを読むと気が狂う」等々。こういう噂を聞けばどんな難解な作品かと身構えたくなるが、実際には難しい作品ではない。むしろ親切なぐらいにエンターテイメント寄りの造りになっている。この手の評価におそれをなして最
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