安倍晋三首相は十二日、二○一四年四月から予定通り消費税率を5%から8%に引き上げる方針を決めた。増税に伴う景気の落ち込みを避けるため、消費税2%分に相当する五兆円規模の経済対策を併せて実施する。増収分は社会保障費に充てるという増税の目的が事実上、変質する。経済対策も公共事業が中心になるとみられ、国民から幅広く集める消費税の還元先が特定業者に偏る「還元格差」が生じることも考えられる。 消費税増税法は、少子高齢化に伴って予算額が膨張し続ける年金や医療、介護などの社会保障制度を維持・安定させる目的で制定された。成立当時の野田佳彦首相、現在の安倍晋三首相も「増収分は全額、社会保障費に充てる」と明言してきた。 来年四月の消費税率の引き上げでも、政府は八兆円程度の税収増を全額、社会保障に充てると説明するが、経済対策が実施されれば、増税で生じた財源のゆとりで賄うことになる。 本来なら、そのゆとりは財政赤
厚生労働省は2日、認可保育所への株式会社の参入を加速するため、要件を満たせば認可申請を拒否しないよう、月内にも都道府県などに要請する方針を固めた。女性の就労支援を重視する安倍政権の成長戦略の一環で、同日の規制改革会議で表明した。 子ども・子育て支援の関連3法が2015年に施行されると、認可権限を持つ都道府県や政令指定都市などは、基準を満たした株式会社の参入を拒否できなくなる。厚労省は待機児童ゼロの早期達成に向け、法律の施行前でも株式会社の参入を妨げないよう求める通知を出す。
世界的な建築家・故丹下健三氏の設計で、「バブルの塔」と呼ばれた東京都の豪華庁舎が、都に「負の遺産」としてのしかかっている。完成から二十二年の現在、初めての大規模改修中。改修費は、二〇二〇年度までに七百六十二億円と、建設費のほぼ半分かかる。都は「相場だ」と説明するが、巨大庁舎を建てたつけが回ってきた形だ。 (松村裕子) 高さ二百四十三メートルの第一本庁舎は大聖堂を思わせる双塔のデザインで、完成時は日本一の高さを誇った。正面玄関に当たる二階ホールには高価な御影石がふんだんに使われ、高さ十八メートルの吹き抜けから陽光が降り注ぐ。 「外見は立派ですが、内部はボロボロなんですよ」と庁舎整備課の担当者。空調は、更新の目安となる運転時間六万時間を超えるものが約七割。設備関係の故障や補修が〇九、一〇年の二年間で約六千二百件もあった。 今回の改修は、空調や給排水、照明などの設備更新が主な内容。都によると、新
福島第一原発3号機(左上)と4号機(右上)の山側の建屋脇に、トラックの荷台に積まれて置かれている仮設配電盤(丸印)=本社ヘリ「まなづる」から 東京電力福島第一原発の使用済み核燃料プールの冷却などが同時多発の停電でストップした事故で二十日、問題の仮設配電盤の内部の壁に、焦げた跡が見つかった。その近くには、感電死したネズミらしき小動物もいた。東電は、小動物が配電盤に入り込んで端子に触れ、異常な電流が流れて事故につながった可能性があるとみて、さらに詳しく調べている。 冷却装置など九つの装置が、二十日午前零時すぎまでにすべて運転再開した。約二十九時間も複数の重要装置が停止し続け、福島事故の発生後、最悪のトラブルとなった。 東電は復旧を受け、社員ら約二十五人で本格的な調査を始めた。 同日午後零時半ごろ、トラック荷台上の大きな金属箱に入った配電盤の扉を開け、内部に設置された端子などを確認したところ、箱
【カイロ=今村実】「アラブの春」の先駆けとなった、チュニジアのベンアリ政権崩壊から十四日、丸二年を迎えた。変革への期待を担ったものの、現在では政治や経済は混乱し、暫定政権への不満が拡大。「ジャスミン革命」と呼ばれた政変の高揚感は、失望に変わりつつある。
東京電力福島第一原発事故で飛散した放射性物質を除去する作業(除染)を終えた福島県の山あいの地域で、除染後しばらくすると放射線量がまた上がるケースが出ている。風雨で運ばれた放射性物質が、道路脇や軒先に再びたまり、線量を上げているとみられる。除染の難しさが顕在化した形で、住民からは「何度除染すればいいのか」と悲鳴にも似た声が上がっている。(榊原智康) 福島市東部の大波地区では、半年前に除染したが、局地的に線量の再上昇が起こっている。町会長を務める栗原俊彦さん(71)の測定では、ある民家の軒先では事故後、毎時一〇マイクロシーベルト(〇・〇一ミリシーベルト)以上の線量があり、今年三月に除染で一・八マイクロシーベルトにまで低下した。だが、十月には七・八マイクロシーベルトにまで戻った。 別の民家前の道路脇でも、除染で一・五マイクロシーベルトに下がったが、十月には一〇マイクロシーベルトにまで上昇した。
神奈川県逗子市の住宅で、デザイナー三好梨絵さん(33)が元交際相手の男に刺殺されたとみられる事件で、県警逗子署の捜査員が昨年六月、男を脅迫容疑で逮捕した際に、逮捕状に付いた書類に記載されていた三好さんの住所と結婚後の名字を読み上げていたことが分かった。男は同九月に執行猶予付きの有罪判決が出て釈放された後、別れた三好さんに大量の脅迫メールを送り付ける一方、居住地を探していた。 署は「この読み上げで男に初めて住所と名字を知らせた可能性がある」として、対応の経緯を調べている。 署によると、読み上げは容疑者に逮捕理由を伝える刑事訴訟法上の手続き。しかし、つきまとい行為をしていた元教員小堤英統(こづつみひでと)容疑者(40)=東京都世田谷区=に刺殺された三好さんの個人情報を教えていたことになり、ストーカー事件への配慮が足りなかったおそれが強い。 三好さんは小堤容疑者に転居先が分からないように暮らして
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