いま「論語」が、親子を中心に人気を集めている。先行き不透明な時代、“生き方指南”が求められているのか、子ども向けの解説本がベストセラーになり、論語塾も盛況だ。【木村葉子】 「子曰(のたま)わく、学びて時に之を習う、亦説(またよろこ)ばしからずや」。東京都文京区の伝通院で月1回開かれる「こども論語塾」。親子連れや3世代家族など2~80歳の約100人の素読の声が響く。05年に参加者約30人で始まり、昨年から約100人に増えた。現在、宮城県塩釜市や宮崎県都城市など全国7カ所で開かれている。 論語は中国の春秋時代の思想家、孔子の言行や弟子たちとの問答などが記された書物。塾では約2500年受け継がれた孔子の生き方や考え方を学ぶ。 講師の安岡定子さん(48)は、陽明学者で歴代首相の指南役といわれた故・安岡正篤氏の孫。この日は「之を愛して能(よ)く労すること勿(な)からんや」(人を愛するからには、その人