身体を投げ打つように空中戦に挑み、何度も地面に叩きつけられる。泥臭いまでの献身と、恐れを知らないボールへの執着心は、35歳となった今なお健在だった。 1ヶ月ぶりにJリーグのピッチに立った巻誠一郎 平成28年熊本地震の影響により活動を中止していたロアッソ熊本が、5月15日、およそ1ヶ月ぶりにJリーグの舞台へと戻ってきた。対戦相手は、ジェフユナイテッド千葉。巻誠一郎にとっては、長年在籍した古巣との対戦である。 未曾有の大災害に見舞われた熊本は、今なお我々の想像には及ばない困難の真っただ中にある。日常の生活もままならず、1万人を超える人たちが避難所生活を強いられるなど、復興への光は遠くにかすんだままだ。 そんな状況下で、ロアッソも苦しい日々を過ごしていた。本震が起きた4月16日以降、彼らにとっては、「サッカーどころではない」状況だったかもしれない。練習することなど当然できず、県外に避難する選手も
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