①「夜の鐘一つ鳴きけり秋の風」 ②「淋しさに飯を喰ふなり秋の風」 「秋の風」の季語が入った2つの俳句。このうち片方は江戸時代を代表する俳人、小林一茶の句。もう一方は最近盛んに句作を行っている新人の句だ。俳句に関心のある人はどちらが一茶の句かご存じだろうが、前提知識のない人はどちらの句を美しいと感じるのだろうか。 京都大学がおよそ400人に7段階で美しさについてアンケートを行ったところ、①の句は平均4.92、②の句は3.42と、①を美しいと評価した人のほうが多かった。(京都大学 上田祥行特定講師や櫃割仁平氏らの調査) ネタを明かすと、実際に一茶が詠んだのは②の方。一方、①を詠んだのは、開発中の人工知能=AIだ。これまでにAIが詠んだ膨大な俳句から選ばれたひとつだという。素人目には、俳諧の巨人の句よりもAI俳人が詠んだ句に美しさを感じるという、驚きの研究結果。 もはや芸術においてすら、AIが人