東京大学の秋本祐希です。実験の方が佳境に入っている中の更新ですみません...! ずいぶんと間が空いてしまったのですが、絵で見る物理学。今回はそもそもヒッグス粒子ってなんだろう、というお話です。 今回のイラストを作るにあたってはICEPPの小林富雄様と東京大学の浅井祥仁様に沢山のご助力をいただきました。誠にありがとうございます。 ビッグバン直後の熱い宇宙では、すべての素粒子は現在の光(光子、フォトン)と同様に質量のない状態でした。この世界ではみんながみんな、光と同じ速度で運動していて、止まることもできない世界です。 そんなスピード狂な世界も、そう長くは続きません。宇宙はどんどん膨張していき、それにしたがって温度がどんどん低くなっていきます。 そしてビッグバンから10^(-10)秒後、宇宙の温度が1000兆度に下がったとき、「相転移」という現象が起こります。この相転移によって宇宙の状態が大きく
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