タグ

ブックマーク / movie.maeda-y.com (4)

  • 超映画批評『それでもボクはやってない』98点(100点満点中)

    『それでもボクはやってない』98点(100点満点中) 2007年/日/カラー/2時間33分/配給:東宝 すべての男が見るべき大傑作 2006年の総評でもちらと触れたが、昨年私が見た数百映画の中で、もっとも面白かった映画がこれである。痴漢冤罪という、誰にでも実感できる切り口で日の刑事裁判の抱える問題点を描いた社会派映画。しかしながら堅苦しさはゼロで、娯楽度満点。先が気になる度がきわめて高いストーリーと、へぇ連発のディテール。どこをとっても完璧に限りなく近い、まさしく年度を代表する傑作といえる。 主人公のさえないフリーター(加瀬亮)は、満員電車から降りたとたん女子中学生に手首をつかまれた。駅員室に連れて行かれた彼は、覚えのない痴漢を頑強に否定。すると警察がやってきて留置され、そのまま裁判を闘うことになるのだった。 この映画の上映時間は147分。一見長大に思えるが体感時間はその半分程度、

  • 超映画批評『DEATH NOTE デスノート 前編』25点(100点満点中)

    『DEATH NOTE デスノート 前編』25点(100点満点中) 監督が、原作の魅力をイマイチ理解していない?! 大場つぐみ&小畑健による原作漫画『DEATH NOTE』は、週刊少年ジャンプの連載ものとしてはかなり異色の内容だったが、その完成度の高さにより、多大な人気を博した作品だ。私自身にとっても、ここ数年読んだ漫画作品のなかで、ナンバーワンに挙げたいほどの大傑作である。その実写映画化である作は、前後編が撮影され、立て続けに公開(後編は10月)されるという、異例の事態となった。製作費も20億円と堂々たるもので、ファンの間ではいやがうえにも期待が高まっていた。 主人公の学生、夜神月(やがみ らいと、と読む。藤原竜也が演じる)は法曹界を目指していたが、法の限界を知り挫折感を味わっていた。そのとき、偶然拾った黒いノートが彼の運命を変える。それは死神が使うデスノートというもので、名前を書かれ

  • 超映画批評『ダ・ヴィンチ・コード』20点(100点満点中)

    『ダ・ヴィンチ・コード』20点(100点満点中) 開始後30分で、ほとんどの人はついていけなくなる 原作『ダ・ヴィンチ・コード』は、全世界で3800万部も売れたベストセラーだ。この映画化にあたっては、カンヌ映画祭のオープニングまで、世界中どこでもマスコミ向けの試写会すら行わず、徹底した秘密主義で煽りまくり、話題性を盛り上げた。 ストーリーは意外に単純で、ある夜、ルーブル美術館の一室で殺された館長が残したダイイングメッセージを、主人公のハーヴァード大学教授(トム・ハンクス)と、フランス当局の暗号専門家(オドレイ・トトゥ)が、協力して解読するというもの。 やがてこのダイイングメッセージ(死の間際に被害者が残すヒント)は、どうやらキリスト教世界で最も重要な聖遺物(キリストの遺品や関連アイテム)である、"聖杯"のありかを示しているとわかる。しかし彼らは、館長殺害犯の容疑をかけるフランス警察と、聖

  • 超映画批評『変身』1点(100点満点中)

    『変身』1点(100点満点中) 全部作り直す以外に道はない 以前、あまりミステリを読んだことのない女友達(30代 美人)に、「何かいいはない?」と聞かれたとき、私は一冊のミステリ小説を彼女に紹介した。 そのは、最初の1ページから抜群に面白い、いわゆる「猛烈な面白さの引力に引き込まれる」タイプの小説で、その作家の代表作のひとつとされる、紛れもない傑作だった。そして、その作品最大の特長は、冗談抜きで「最後の1行で涙があふれる」感動の恋愛物語であるという事だった。 それはもう、世界の中心で何かを叫んで喜んでいるような人が読んだら、あまりのレベルの違いに腰が抜けるであろうと思われる大傑作だ。その彼女もいたく感激したようで、おかげでそのお礼に、私にすばらしい一夜をプレゼントしてくれた。 ……わけはなく、「次はもっと面白いのを買って」などという、困難極まりない課題を私に課したのである。美人とは、同

  • 1