はじめに 平安時代の古今集にも詠われた「吉備の中山」は、古くから都でも名が知られていました。地元の人々は昔よりこの山には神様がおられると崇め、大切にしてきました。 吉備の中山の東側には備前の一宮である「吉備津彦神社」があり、西側には備中の一宮である「吉備津神社」が鎮座しています。一つの小さな山の麓に二つの一宮があることは、いかに吉備の中山が大切な山であったかを物語っています。 吉備の中山には磐座や古墳、遺跡、史跡、伝承などがたくさんあります。しかし、長く整備されていない山の中は、草が背丈まで生え、木が茂り、どこに何があるのか分からない状態でした。私たち『吉備の中山を守る会』のメンバーは、平成12年頃から、資料をもとに磐座や古墳、遺跡などの場所を探すことから始めました。草を押し分け、山の中を歩き回りました。埋もれていたものを発見したときの喜びは、非常に大きなものでした。草を刈り、道を整備し、