[ストーリー|ワールドサッカーキング 11.09.15(No.190) 掲載] チリ出身の若きストライカー、アレクシス・サンチェスは、この夏、世界王者バルセロナの一員になることを許された。だが、彼にとってこの移籍は終着点ではなく、あくまで出発点。キャリアの第2章を歩み始めた若者の半生を改めて振り返る。 文=マッシモ・メロイ 翻訳=小川光生 写真=AFLO 「エル・ニーニョ・マラビージャ」 スペイン語で「ワンダーボーイ」を意味するこの言葉は、この夏、セリエAのウディネーゼからヨーロッパ王者バルセロナに移籍したチリ代表ストライカーのニックネームである。 アレクシス・サンチェスがイタリア・フリウリ地方のクラブ、ウディネーゼにやって来たのは2008年夏のこと。3年目となる昨シーズン、12ゴールを挙げてブレイクを果たした彼は、クラブのチャンピオンズリーグ・プレーオフ出場権獲得に多大な貢献を果