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ブックマーク / bungeishi.cocolog-nifty.com (33)

  • ソフトロックとしての長渕(オマケ) - kenzee観光第二レジャービル

    kenzee「よく考えたら木村先生に長渕の凄さを説いてもしょうがないのであった」 司会者「あんまり興味ないと思いますよ」 kenzee「長渕ソングにはね、「俺たちのニライカナイ」っていう琉球地方の理想郷をテーマにした歌もあるんですよ!」 司会者「そんなムリクリ木村先生の興味ありそうな方向に引っ張っていってもムリだよ!」 kenzee「なんで長渕音楽の素晴らしさがマトモに語られないのかというと、結局ジャーナリズムの側が長渕ズムに引っ張られちゃうのね。結果、「俺は長渕を聴いて魂を震わされた。人間の、人生の、男のナントカだ!」みたいな精神論でまとめて終わりだったりするわけです。しかし、ボクの目から見るとその手の音楽ライターはサボってるようにしか見えません」 司会者「音楽の話をしろ、と」 kenzee「ボク、結構冗談抜きで長渕ファンですけど長渕の魂とか興味ないですもん。私が言いたいのは「長渕は時々

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  • 西田佐知子以来のノン・ヴィブラート唄法(西野カナ「to LOVE」) - kenzee観光第二レジャービル

    kenzee「西野カナは今年もっともブレイクした女性ヴォーカリストの一人だ。そして浜崎以降の「ギャルマーケット」にようやく現れた刺客である。西野の音楽に触れる前に比較されることの多い「浜崎以降」の文脈とはどのようなものだったか検証してみよう。浜崎あゆみは1998年、「poker face」でデビューする。この98年という年はJ-POP界において大きな地殻変動が起きた重要な年であり、J-POPの想像力のターニングポイントとして後年記憶される年だ。ちなみにこの年はMISIA、宇多田ヒカル、aiko、椎名林檎、モーニング娘。など多くの女性アーティストがデビューし、ブレイクした。また、前年まで猛威をふるっていたコムロファミリーの凋落が始まった年でもある。浜崎は翌年、アルバム「A Song for××」でオリコン一位を獲得、約150万枚のセールスを記録し、「コギャルの教祖」と呼ばれるようになる。これ

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  • Rockin' on Your Door中編 - kenzee観光第二レジャービル

    kenzee「なんでstoned loveさんは9ミリメーターパラベラムブレットの読み方を知っているのか」 司会者「もう3枚目のアルバムなんでしょ? 有名なんじゃないんですか」 kenzee「今度、会社の若い女の子とかに聞いてみようかなあ。ねえキミ、9ミリメーターパラベラムブレットを知っているかね? とか。そんでエ~ッ私9ミリメーターパラベラムブレットの猪木似のボーカルのメチャファンなんですう、とかいいリアクション返ってきたらどうしよう」 司会者「一緒にライブ行ったらいいじゃないですか」 kenzee「9ミリメーターパラベラムブレットの「命のゼンマイ」はワルツだよね、今年はワルツがくるよ、井上陽水の「愛は君」とか。などと軽いトークをカマシながらライブに行こうかな」 司会者「まだいっぱい聴かなアカンのですから。ボケてるヒマないですよ」 kenzee「えーと、前回の世界の終わりの続きだが」 司

    Rockin' on Your Door中編 - kenzee観光第二レジャービル
    stonedlove
    stonedlove 2010/04/12
    「ナインミリメーター・パラベラム・ブレット」「エッレガーデン」「ひゃくななじゅうごアール」。ぜんぶ読めるぞ俺は(*゚∀゚)ゞ
  • Rockin' on Your Door前編 - kenzee観光第二レジャービル

    kenzee「先日、ロッキング・オン・ジャパンという名の音楽雑誌を購入した」 司会者「ヘェ。またアレですか。小沢の記事とか絡みですか」 kenzee「まああの2万字インタビューは持ってるし、問題はその再掲に伴って書かれた前文なのだが。現在の小沢によって書かれた序文を要約すると16年も昔の、しかも自伝みたいなこと語ってるインタビューを再掲載するといわれても困惑する。だが、現代とはネット文化を通して一般人も自己のイメージ管理を余儀なくされる時代になった。これは16年前の、ちょっとしたスターだった自分のイメージ管理に基づくもので、真の自分の少年時代など空の色のようなものだ、ということだ。でね、フト思ったのはこのインタビューが掲載された1994年2月14日という日付だ。現在の小沢さんは「ちょっとしたスターだった私が」と語っているがどうだろう。この時点では実は「ブギーバック」すらまだ発売されていない

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  • パンツとか見せてもいいと思うんです(ポジティブ教と連合赤軍) - kenzee観光第二レジャービル

    kenzee「ところで渡辺美里とはなんだったのか? 渡辺美里の登場は女性ソロヴォーカリスト史における転換点だった。渡辺の登場によってロックだのポップだのといったインディー臭漂う世界は急にJ-POPの名の下にメジャー化したのだ。では渡辺以前の女性歌手たちはなにを歌っていたか。まずユーミンさんはいうまでもなく恋愛の女王だ。中島みゆきは女の情念を歌った。竹内まりやはキャンパスライフの青春と恋愛を歌った。80年代はアイドルの時代だった。彼女らが歌ったのはモチロン若い女性の恋愛についてだ。最新のトレンドを折りこみながらね。この70年代から80年代にかけての女性歌手たちに共通しているのは恋愛、つまり性的欲求と性的身体について歌ってきたということだ。「女はホレたハレたと歌っていれば良い」。このような男性原理、マッチョイズムに基づいて女性歌手シーンは回っていた。ところが渡辺はこれらのファクターを一切排除し

    パンツとか見せてもいいと思うんです(ポジティブ教と連合赤軍) - kenzee観光第二レジャービル
  • コーヒーとRevolution(連合赤軍とロスジェネ問題イントロ) - kenzee観光第二レジャービル

    司会者「で、いよいよゼロ年代も大詰めを迎えたワケですが、Revolutionはどうなったんだよ」 kenzee「最近ズーッと連合赤軍の資料ばっかり読み漁ってたのよ。元メンバーの手記からはじまって、若松孝二の「実録・連合赤軍」とか山直樹のレッドとか。で、なんでオレは今こんなに連合赤軍のことが気になるんだろうと考えるとあの事件が71年の暮れから72年にまたがってたっていう。その時代の転換点と今がなんとなくリンクするような気がするからなんだよね。ところで速水さんのブログでコーヒーと歌謡曲についての論考がある。缶コーヒーやインスタントコーヒーの進化や普及の歴史を歌謡曲はどう扱ったのかという内容で、ピンキラ、モーニング娘。尾崎豊などの「コーヒー曲」について論じている。で、それによるとホット用の自販機が登場したのは72年なのだという」 司会者「72年に今の我々の生活の原型が形成されていった、というの

    コーヒーとRevolution(連合赤軍とロスジェネ問題イントロ) - kenzee観光第二レジャービル
  • ゼロ年代、製作現場ではなにがおこっていたか?(J-POP論最終回): 文芸誌をナナメに読むブログ(書評)

    司会者「で、中田ヤスタカサウンドがホントにスカスカなのかの検証に入っていきたいんですけども」 kenzee「例の座談会でどういう流れで三輪祐也氏のスカスカ発言が登場したか。まず90年代のDJ文化以降、ロキノン型の「ロックという物語」の批評は無効となった。代わりにキャラクターベースの自分語りが台頭している、と。それが現在のPerfume、相対性理論の消費に繋がっていると。だが、実際のPerfumeの受容のされ方とは30代、40代のオッサン連中、つまり団塊ジュニアのありがちな「あえてベタに」って回路であって世間で話題になってるほど若者は飛びついていない、という宇野さんの指摘がでてくる。で、事実Perfumeのサウンドは従来のアイドルポップのサウンドとは明らかに一線を画す、個性的なものなのでオッサン連中としても「これだけうまく自分を萌えさせる中田の手腕にうなる」とかメタ視線をちらつかせられる」

  • ナゼ我々はMCUをダサイと感じてしまうのか(佐々木寛太郎さんへの返答Part.2) - kenzee観光第二レジャービル

    kenzee「イアン・コンドリーの「ヒップホップ・ジャパン」読みました」 司会者「エ? いつものようにクチだけでスルーするかと思われていたのに!」 kenzee「これは力作ですよ! 2800円の価値はあります。日のヒップホップを扱った書物は過去にもイロイロあった。だが、ほとんどはインタビューとカタログでお茶を濁すようなものだった。悪名高き後藤明夫の「Jラップ以前」に始まり、陣野俊史さんのヒップホップ・ジャパンとか。BLAST誌はそういう意味でジャーナリズムの立場から日のシーンを捉えた書物としてはかなりハイレベルだったんだと廃刊してから気付きます。そしてアカデミズムの立場から切り込んだのがこのイアン・コンドリーの大著だ」 司会者「全然評価変わっとるガナ」 kenzee「インタビューとかナシで論考だけでこの分厚さはスゴイです。そしてオレはどうやらイアンの言う「現場」の意味を誤解していたよう

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  • コムロと渋谷系とわたし(自分探しとJ-POPPart.8) - kenzee観光第二レジャービル

    kenzee「速水さん相変わらずクダラナイこと言ってるなあ」 司会者「ディスコ葬は当然サタデーナイト・フィーバーの曲とかじゃなくてユーロとかかけるんでしょ?」 kenzee「オレはさしずめ渋谷系葬かな」 司会者「プッ。カフェとかでやるワケ? フリッパーズとかカジヒデキとかかけんの?」 kenzee教授「スチャダラまではセーフなのか?」 司会者「脱線3とかは違うんでしょうね」 kenzee「こう、セルジュ・ゲンスブールとかボリス・ヴィアンとか流れてるような」 司会者「リアルにありそうですよソレ」 kenzee教授「暴力温泉芸者はフツーにアリなんだろ?」 司会者「イヤな葬儀だなあ」 kenzee教授「みんなベレー帽とかボーダーシャツとか着てくるのかなあ」 kenzee「オレ、10年ぐらい昔カラオケとか行くとねえ、♪オレは奈良生まれ渋谷系育ち、ショボそうなヤツは大体友達、ヒョロそうなヤツと大体同

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  • サクラップとゼロ年代(J-POPと自分探しPart.6) - kenzee観光第二レジャービル

    kenzee「前回、櫻井翔ソロ曲「HIP POP BOOGIE」を聴いていただきました。あのリリックのスゴイところはまったく従来の「ストリートの論理」が通用しない「ジャニーズアイドル」という立場を見事に逆手にとった姿勢なのだ。 大卒のアイドルがタイトルを奪い取る マイク持ちペン持ちタイトルを奪い取る HIP HIP POP BEAT YO ステージ上終身雇用 これは慶応幼稚舎からエスカレーター人生を歩んできたボンボン櫻井にしか書けないパンチラインだ。「マイク一で夢をつかむ」という陳腐な物語を見事に相対化し、オルタナティブの設定に成功している。 What's Goin' On なにか違うと思わないかい? あんな大の大人が罵り合い大会なんてぼくらは見たくないんだい こうなりゃもう、おう咲き乱れる 業の方々顔しかめる(櫻井翔「HIP POP BOOGIE」2008年) これはおそらく日のヒ

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  • ココログガイドとか津村とか嵐とか(日本語ラップと自分探し4) - kenzee観光第二レジャービル

    kenzee「正体不明のkenzeeでーす」 司会者「なんか、ココログガイド(2月12日)で紹介されたみたいですね。この下らないブログが」 kenzee「で、他の紹介されてるヤツ見たら、「絵作家の○○さんのホノボノ日記」みたいなのとか「現役社労士の○○氏が語る、社会保険講座」みたいな紹介のされ方なんだけど、ウチの… 正体不明の kenzee さんが、同名の教授たちとともに、文学や音楽を通して現代社会やサブカルチャーを徹底議論。文芸論壇を読み解くためのサブテキストとしてもどうぞ。 こんな紹介のされ方でした」 司会者「だって、アンタ正体不明だもん。たぶん、あのリード文てプロフィールのトコ見て書くんだろうけどウチのアレじゃ、そりゃそう書かれますよ。アレは意図があるんですか」 kenzee「昔、そうバブル絶頂の1989年、バンドブームがあった。その頃、多分宝島だったと思うけど「決定版!バンド図鑑

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  • 日本語ラップと自分探しその1 - kenzee観光第二レジャービル

    前回までのあらすじ(自分探しとJ-POP) kenzee、速水健朗さんの「自分探しがとまらない」を読んで感心する。速水さんの論考は「自分探し」と呼ばれるバブル崩壊以降の若者に特徴的なモラトリアムマインドを社会的な事件やブームから解き明かしたものだ。だが、そこには主に90年代のJ-POPが描いた「自分探し」については触れられていなかった。そこでkenzeeやってみた。そうするとバブル崩壊後の91年あたりから槇原敬之、ミスチル、コムロ系などといったヒットメーカーの歌詞に共通してみられる上昇志向、自己肯定の世界観が浮かび上がってきた。要は、「人生とは迷ったり探したりして見つけ出していくもの」または「人生とは自分との戦い」といった「自己が誇大した思考」に基づいている、と。これはバブル崩壊による経済の信用の失墜とパラレルな関係にある。「経済」という価値観がアテにならない以上、自分の手で物語を発見しな

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  • 初めて浜崎あゆみをちゃんと聴いてみた。そしたら現存在があった(自分探しソングの世界(Part.3): kenzee観光第二レジャービル

    司会者「で、いよいよ浜崎論に突入するワケですけども。ブッチャケ後悔してるでしょ?」 kenzee「約3時間にわたってYou Tubeで浜崎映像を漁りまくった。おそらく今夜は夢の中でエンリケやヨッチャンが登場し、激弾きしまくることだろう。しかし映像を観て思うのは浜崎バンドのメンバーの脈絡のなさってどうなのよ」 司会者「一応今やってるのは「J-POPの歌詞から90年代の想像力を読み取る」というものなのでサウンドの話はあとにしましょう」 kenzee「前回、J-POPのリアリズム革命に言及した。98年ごろを境に「無垢である」ことを免罪符に「自分探し」を続けるミスチル槇原ワールド、出会いによって全てがチャラになるコムロワールド、ひっくるめてファンタジーソングと呼ぶが、これらの偽善性を暴こうとする表現が見られるようになるのだ。スガシカオや椎名林檎が代表的だ。彼らはその露悪的な態度で偽善的な価値観を転

    初めて浜崎あゆみをちゃんと聴いてみた。そしたら現存在があった(自分探しソングの世界(Part.3): kenzee観光第二レジャービル