タグ

名文に関するstonifeのブックマーク (12)

  • ラブホテルをつくろうと母は言った - Everything You’ve Ever Dreamed

    家族でも恋人でも友人でもいいのだけれど、そういう大事な人を喪ったときの正しい感情ってなんだろう、なんて答えがないことを父の死を契機に僕は十代の終わりの一時期かなり真剣に考えていた。父が死んだとき僕が真っ先に思ったのは、悲しみでも、将来や生活への不安でもなくて、人間なんて簡単に死んでしまうんだな、エロの隠し場所には気を付けなきゃいけないな、というどうでもいいことだったりする。多感な18才だったので悲しかったのは間違いないのだけれど、前年の夏に祖母を亡くした直後ということもあって命が消えてしまう呆気なさに僕はただ愕然としていたのだ。 愕然としたあと僕はムカついた。というのも淡々と葬儀屋と打ち合わせをこなし、葬儀を執り行う母をみて親戚のオッサンどもが「少し休んだらどうだ」とか「泣いたっていいんだぞ」とか「これからの生活はどうするんだ」なんていちいち声を掛けてきたからだ。母のやりたいようにやらせ

    ラブホテルをつくろうと母は言った - Everything You’ve Ever Dreamed
  • 悲しみよさようなら - Everything you've ever Dreamed

    福岡の事件を聞いて僕はひどくショックを受けた。事件の続報を追う気力が萎えてしまうには十分なほどに。断片的に伝えられた事件の背景に僕の子供のころと似ている点があったからだ。身体に障害のある母親、発達障害のある子供、子供が親を詰り、親が子供を殺した。それが僕が知っている事件の全てといっていい。そして学童保育という単語。学童保育。ガクドー。僕も、両親の仕事が忙しかったので学校が終わると家ではなくガクドーに寄っていた。もちろん喧嘩はしたけれどそこでの時間はそう悪いものでもなかった。図書室でを借りて帰ればいくらでも想像の世界に没頭できたし、学校のものに比べると小さかったけれど鉄棒や滑り台といった遊戯具もあったし、ピアノやアコーディオンといった楽器もあった。いくらでも時間は潰せた。僕は扱いづらい子供だった。通信簿の備考欄みたいなところには「集団生活に難あり」みたいな記述がいつもあって、それをみても親

    悲しみよさようなら - Everything you've ever Dreamed
    stonife
    stonife 2008/09/25
    『この地上は、悲しみや涙で埋めるには狭すぎて容易いけれど、喜びや笑顔で埋めるには広大で困難なものだと』 泣いた
  • 透けブラ少女は空を翔る - Everything You’ve Ever Dreamed

    事故を告げる電光掲示板。僕はホームから夜空を眺めた。人身。遅延。予め組み込まれた橙色の文字列が素知らぬ顔で左から右へと秋風のなかをすり抜けていく。左から右へ。橙色のドット。駅員に詰問する会社員風の男。弁明する腕章を巻いた駅員。喧騒。ヘッドフォンをして気長に電車の到来を待つことにした僕に、女性が「なにがあったんですか」と尋ねてきた。僕は電光掲示板に映しだされた文字をそのまま声にして繰り返した。音のないヘッドフォンを介した僕の声はやけに無機質で遠く、あの掲示板の親戚みたいだった。ヘッドフォンの音量を上げる。プライマル・スクリームの「ロックス」が僕に飛び込んできた。 「ロックス」が収録されていたアルバムは出来損ないのストーンズみたいだった。カート・コバーンがショットガンで頭をぶち抜いたあの年の秋、大学生だった僕はダメストーンズをCDウォークマンに入れてヘビーローテーションしていた。あの日も何かの

    透けブラ少女は空を翔る - Everything You’ve Ever Dreamed
    stonife
    stonife 2008/09/16
    もしDelete_Allさんのおっぱい文学本が出版されたら絶対買います!
  • はてなブログ | 無料ブログを作成しよう

    台北市立動物園と迪化街めぐり 子連れ台湾#5 年越し台湾旅行5日目、レジャーや友人との事を楽しむ日です。前日の様子はこちら www.oukakreuz.com 台北市立動物園へ パンダ館 パンダが見られるレストラン 迪化街へ 林茂森茶行でお茶を購入 小花園で刺繍グッズを購入 黒武士特色老火鍋で夕 台北市立動物園へ 松…

    はてなブログ | 無料ブログを作成しよう
    stonife
    stonife 2008/09/03
    道理で神々しいものだと思ってました
  • 駄菓子屋ガール・ロックンロール - Everything You’ve Ever Dreamed

    地元にある駄菓子屋は婆さん一人で切り盛りしてるような小さい店でお世辞にも綺麗とはいえない。もう25年も前の話になるのだけれど、婆さんの駄菓子屋の店頭にはカラフルな飴玉がつまった瓶、駄菓子、水風船、零戦ヒコーキが溢れ、毎日のようにボンクラ小学生が取り囲んでいた。僕もそのうちの一人で「うまい棒」や「よっちゃんイカ」や「ベビースター」を毎日のように買っていた。そこは僕らの宝島だった。 ガンプラが流行ったとき、プラモ屋が「ド・ダイYS」とザクの「武器セット」を抱き合わせにするような阿漕な商売をして、「あそこではもうプラモ買わねー」「エンガチョ」「店の前に犬のウンコ置いちゃおうぜ」「立ちションしよーぜ」と百円玉3枚を握り締めたボンクラ小学生の失望と顰蹙と怒りの標的になったけれど、婆さんはそんな商売っ気を微塵も見せることなくガンプラが入荷するや否や「シャーガンダムあるよ〜」と僕らに声を掛けてひとつずつ

    駄菓子屋ガール・ロックンロール - Everything You’ve Ever Dreamed
    stonife
    stonife 2008/07/24
    文才ありすぎですごい
  • 部長。をプロデュース- Everything You’ve Ever Dreamed

    毎月第三金曜日は月次定例営業会議と決められていて僕は目を覚ました瞬間から憂のなかに沈んでしまう。通勤電車が沈没していく潜水艦のように思える。救いの手もなく、墓標の有りかも知られず、逃げ場もなく、光届かぬ海溝へと沈んでいく潜水艦。手帳を取り出し平成20年7月18日の欄に描いたドクロベエを確認して溜め息が出てしまう。幸せがまたすこし逃げていく。 習性とは恐ろしい。無意識のうちに会社に着き、エントランスを抜けていた。エレベーターの前で部長と総務のマヤちゃんと鉢合わせた。悪魔と小悪魔と僕を胎内に呑み込むとエレベーターは鉄製の扉を閉ざした。一階。三人を閉じ込めたエレベーターはたちまちスパイシーな匂いで充たされた。二階。スパイシー。ノー。そんな生易しいものじゃない。これは異臭だ。僕は非常ボタンを探し始めた。三階。僕は非常ボタンのかわりに部長のワイシャツの脇のところが黄色く変色しているのを見つけた。階

    部長。をプロデュース- Everything You’ve Ever Dreamed
    stonife
    stonife 2008/07/21
    『悪魔と小悪魔と僕』w / 冴え渡ってますね!
  • 好きになるのが怖い

    ヒサミチ 「好きになった」はインターネットの大道芸収集サイト 風に散らばるチラシやビデオ、イイ話を集めています *自作音源 *旧「好きになった」 *好きになった」がおすすめしたい *はてなブックマーク *Twitter *Translation in ENGLISH 詳細プロフィールを表示 こないだの、ああいう記事を書くとさすがに寝覚めが悪いわね 「加藤が失敗したのはわかったけども、そんならどうすればいいのよ?」に応えられてない 「恋人がほしい でも、どーせ俺なんか」件の孤独はどこにでも転がっている孤独であって 己の思春期を顧みて「寂しい」「相手は誰でもいい」その心理に覚えのない人はそういないだろう かくいう俺じしんが「誰でもよかった男」です 今日は通り魔サカナに自分語り劇場 若い読者の参考になればと思う 自分がネットに書き込みはじめたのは出会いサイトから のべ50件くらいに登録した 「ご

    stonife
    stonife 2008/06/19
    これは名文。「大人になるってことは、愛されるだけじゃなく、愛する側に回るってこと」
  • オッサン・クルージング・ラヴ - Everything You’ve Ever Dreamed

    この春から最寄りの駅まで自転車を使って通勤している。バス代の節約と健康のために。朝7時半ちょうどに赤いママチャリにまたがる生活。朝の空気が体の外側を流れていく感覚は思いのほか、心地よいものだ。女の子の横を過ぎるときにはストールする寸前まで徐行。二人乗りのアベックのうしろに貼り付いてスリップストリーム。あぁ朝がこんなに楽しいなんて。 先々週だろうか。奴が現れたのは。僕の娯楽を侵略する悪い奴。白いママチャリを駈るオッサン。推定五十才。圧倒的なスピードで僕をぶっちぎっていく。抜いた瞬間にジリジリっと錆びたベルを鳴らす。最初は気にしなかったのだけれど、毎朝、追い抜かれていたら世界中のどんな平和主義者だって自転車に油をさすだろう? 奴のスピードの秘密は独特のフォルムと地の利にある。フォルム。奴は前頭部が禿げている。毛髪は後頭部に縞模様を描く程度に遺すだけ。空気抵抗は限りなく少ない。地の利。奴は丘の住

    オッサン・クルージング・ラヴ - Everything You’ve Ever Dreamed
    stonife
    stonife 2008/06/08
    自分が女だったら惚れちゃう
  • あの夏、地上最大のオッパイが。- Everything You’ve Ever Dreamed

    ピーチジョンのエロティックな広告写真。ホームに滑り込む電車の騒音をバックミュージックに、それを舐めるように見ている僕の後ろを一人の淑女が通り過ぎて行った。振り返り横顔を見る。間違いない。彼女だ。あの夏、僕の人生を、僕の未来を変えてしまった地上最大のオッパイの主。ヴィーナス。声をかけようとしたが名前を思い出せなかった。あれほど追い求めた存在であったのに。 1991年の夏。高校三年生だった僕と悪友の西ヤンは腐っていた。真面目にやっている連中、反抗している連中、すべてを斜めから見ていた。授業。夏期講習。体育祭の創作ダンスの練習。すべてをサボタージュして大半の時間を第二校舎の屋上で潰していた。僕らは屋上を「ヘヴン」と名付けて、毎日のように、流れていく雲や富士山のシルエットを眺めたり、昼寝をしたり、買ってきたエロを模写するという意味のない行動をしていた。空は青く、太陽の陽射しは心地よかった。いつか

    あの夏、地上最大のオッパイが。- Everything You’ve Ever Dreamed
    stonife
    stonife 2008/06/02
    id:Delete_Allさんは、おっぱい文学の巨匠です
  • キスの時って目を閉じるから何にも見えないってことに初めて気付いた

    生まれて初めて、人と口をくっつけた。 口と口が触れた。 自分の口で、人の口に触れるなんて、私史上、もうそれはありったけなことだった。 ありったけ。 小学生に「おばさん、ボール取ってください」と呼ばれた狂おしい春の桜が、 こざっぱり散りきった4月の25日。 そのおばさんは、初めてキスをしたよ。 ホームランが飛んでいく音が、した気がした。かも。 そりゃね、かっとばすよ。 私はおばさん。 投票所には10回以上足を運んだことがあるし、 所得税もがっぽり取られるイイ年頃で、 suicaなんかもピッてやって、優雅に改札を抜けてる堂々たる社会人で、 キスなんて、キスなんて、 とっくの遠い昔の、教科書とか体育とか文化祭とか、そういうものに紛れながら経験して然るべきで、 こんな今頃、年金とか後期高齢者医療制度とかガソリン税がひしめき合う中で、 転がってきたら、初めてのレモン。 ああ、私という人間は、キスしな

    キスの時って目を閉じるから何にも見えないってことに初めて気付いた
    stonife
    stonife 2008/05/27
    キスかぁ
  • はてなブログ | 無料ブログを作成しよう

    顔に見える?最近「送水口」が気になるという話 「送水口」が気になる今日この頃 最近街中で気になる存在、それがこの「送水口」です。地上のフロアが7階以上あるビルなど、一定の条件を満たした建築物には設置が義務付けられているもので、火事が発生したフロアにただちに水を送るために使われるものです。ポンプ車…

    はてなブログ | 無料ブログを作成しよう
    stonife
    stonife 2008/05/08
    きっちり読みました
  • 有料エロ・チャンネルで心の隙間を埋めたいの - Everything You’ve Ever Dreamed

    出張に行った。仕事を終えてチェックインした部屋は特徴がないのが特徴というくらいの代物で、僅かに僕のなかに残っていた旅行気分を払拭するには十分なつくりだった。労働環境を支える、凝り性な総務のいい仕事。舌打ち。近くの蕎麦屋でざるそばをべながらビールと焼酎を飲んでいたせいか、どうしても温泉に入る気にならず部屋に備え付けのシャワーを浴び、ベッドの上で横になった。それから唯一の娯楽設備であるテレビのリモコンを手に取り電源を入れた。 ニュースとスポーツをひと通り見てしまうと、いよいよやることがなくなってしまった。リモコンに目をやる。赤いボタンが目に付いた。3個あるボタンの上には「有料」の文字。有料だから映るわけないとなかば諦めつつ、とりあえず押してみた。極小の黒ビキニを着たお姉さんが5人、大きな乳房を揺らしながら踊っていた。右上に小さく「お試しタイム」の表示。 お姉さんたちは全身がローションでテカテ

    有料エロ・チャンネルで心の隙間を埋めたいの - Everything You’ve Ever Dreamed
    stonife
    stonife 2008/04/16
    孤独なエロは僕らの心の隙間を一瞬埋めてくれるけど、そのあともっと大きな隙間を残して去っていくからなぁ
  • 1