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ブックマーク / delete-all.hatenablog.com (17)

  • ラブホテルをつくろうと母は言った - Everything You’ve Ever Dreamed

    家族でも恋人でも友人でもいいのだけれど、そういう大事な人を喪ったときの正しい感情ってなんだろう、なんて答えがないことを父の死を契機に僕は十代の終わりの一時期かなり真剣に考えていた。父が死んだとき僕が真っ先に思ったのは、悲しみでも、将来や生活への不安でもなくて、人間なんて簡単に死んでしまうんだな、エロの隠し場所には気を付けなきゃいけないな、というどうでもいいことだったりする。多感な18才だったので悲しかったのは間違いないのだけれど、前年の夏に祖母を亡くした直後ということもあって命が消えてしまう呆気なさに僕はただ愕然としていたのだ。 愕然としたあと僕はムカついた。というのも淡々と葬儀屋と打ち合わせをこなし、葬儀を執り行う母をみて親戚のオッサンどもが「少し休んだらどうだ」とか「泣いたっていいんだぞ」とか「これからの生活はどうするんだ」なんていちいち声を掛けてきたからだ。母のやりたいようにやらせ

    ラブホテルをつくろうと母は言った - Everything You’ve Ever Dreamed
  • 私の異常なお見合い・接触篇 または私は如何にしてアル中を装い謎の教団と対峙したか - Everything You’ve Ever Dreamed

    小学校の音楽室であの歌を聴いたときに異世界は産声をあげたんじゃないだろうか。若者たち。君の〜ゆく道は〜果てし〜なく〜遠い〜だのに〜な〜ぜ〜歯をく〜いし〜ば〜り〜君は〜ゆく〜の〜か〜そんな〜にして〜まで〜。だのに、だのに、だのに。僕には、だのに、が不自然に聞こえて仕方なかった。なのに、じゃないの?クラスのなかで僕だけが抱いた違和感の萌芽は、僕のなかで萌え萌え成長して僕から飛び出し異世界となり、今まさに飲み込もうとしている僕を。異世界の中心にいるのはシノさんだ。僕の家のドアの鍵の無断の合鍵の持ち主のシノさんは僕のお見合いの相手で、戦国時代好き西軍派趣味コスプレ、スザンヌ似の25歳推定Dカップ、閉鎖的排他的仮装的催事での名前はノッピー☆ 今、ノッピー☆によって僕の部屋の施錠は解かれ、ドアは開かれ、ドアチェーンが悲鳴をあげながらかろうじて侵入を阻止している。僕はブリーフいっちょうで物陰に身を隠して

    私の異常なお見合い・接触篇 または私は如何にしてアル中を装い謎の教団と対峙したか - Everything You’ve Ever Dreamed
    stonife
    stonife 2009/06/24
    ブクマせざるをえない
  • 草なぎ剛を忘れない- Everything You’ve Ever Dreamed

    ねえ、剛。あのころの私たちは何もわからないまま毎晩馬鹿騒ぎしていたよね。夜が明けたら約束された明日と笑っていいともの収録が来るって、根拠もないのにずっと信じていたんだ。まさかマッパの剛が毛布にくるまれて警察に連行されるなんてあのときは思いもせずに。 ねえ剛。夜の公園でチンコ出すの、気持ちいいよね。先っちょを春の雰囲気を残した夜風が通り抜けていく感覚、森君とミュージカル「聖闘士星矢」出演の記憶と一緒にいつまでも忘れないでいて。警察官に裸でなにが悪いって凄んでも、奴らにはチンコの先っちょを衆目に晒す快感なんて一生わからないよ。だから私たちの楽園は汚されずにいるんだ。ついでに森脇さんのこと、時々思い出してあげて。 ねえ剛。稲垣君が捕まったときの君のコメントを覚えている?あのとき、黒人大統領の演説なんかよりもずっといい言葉だって素直に思ったんだ。「いいひと」の剛が陰で「稲垣君はさー菅野美穂ちゃんが

    草なぎ剛を忘れない- Everything You’ve Ever Dreamed
    stonife
    stonife 2009/04/24
    やっぱり天才だ
  • 続々・私の異常なお見合い または私は如何にして家を追われて神を求め、極太ディルドをつくるに至ったか

    ウォシュレット。ああそんな、そんなところまで、などと呟きながらひんやりした便座に座り、小さな悦びにうち震えてはらはらと涙を流していた。口ずさむは即興戯曲《ウンコとウォシュレット》。「ああウォシュレット、あなたはどうしてウォシュレットなの」。お見合い以来、僕は追い詰められて生活が破綻寸前。用を足せばこのようにわけもなく涙をはらはらと流す有り様。というのも先日お見合いをした娘からの大河ドラマ「天地人」感想メールに加え、その母親からも連日、「オホホいつ我が家に遊びにきてくれるの?」やら、「家族一同楽しみに来訪をお待ちしておりますオホホ」というふざけたメールが執拗に送られてくるからだ。 オホホ。なにがオホホ。浮かれてる。みっともない。僕が間抜け面に北京ダック片手で赴くような安い男とでも思っているのだろうかオホホ。腹立たしい。来なら若い女性とお話が出来るのはオホホな心境になるのだが。普通の女性なら

    続々・私の異常なお見合い または私は如何にして家を追われて神を求め、極太ディルドをつくるに至ったか
    stonife
    stonife 2009/04/19
    お幸せに…
  • 悲しみよさようなら - Everything you've ever Dreamed

    福岡の事件を聞いて僕はひどくショックを受けた。事件の続報を追う気力が萎えてしまうには十分なほどに。断片的に伝えられた事件の背景に僕の子供のころと似ている点があったからだ。身体に障害のある母親、発達障害のある子供、子供が親を詰り、親が子供を殺した。それが僕が知っている事件の全てといっていい。そして学童保育という単語。学童保育。ガクドー。僕も、両親の仕事が忙しかったので学校が終わると家ではなくガクドーに寄っていた。もちろん喧嘩はしたけれどそこでの時間はそう悪いものでもなかった。図書室でを借りて帰ればいくらでも想像の世界に没頭できたし、学校のものに比べると小さかったけれど鉄棒や滑り台といった遊戯具もあったし、ピアノやアコーディオンといった楽器もあった。いくらでも時間は潰せた。僕は扱いづらい子供だった。通信簿の備考欄みたいなところには「集団生活に難あり」みたいな記述がいつもあって、それをみても親

    悲しみよさようなら - Everything you've ever Dreamed
    stonife
    stonife 2008/09/25
    『この地上は、悲しみや涙で埋めるには狭すぎて容易いけれど、喜びや笑顔で埋めるには広大で困難なものだと』 泣いた
  • 透けブラ少女は空を翔る - Everything You’ve Ever Dreamed

    事故を告げる電光掲示板。僕はホームから夜空を眺めた。人身。遅延。予め組み込まれた橙色の文字列が素知らぬ顔で左から右へと秋風のなかをすり抜けていく。左から右へ。橙色のドット。駅員に詰問する会社員風の男。弁明する腕章を巻いた駅員。喧騒。ヘッドフォンをして気長に電車の到来を待つことにした僕に、女性が「なにがあったんですか」と尋ねてきた。僕は電光掲示板に映しだされた文字をそのまま声にして繰り返した。音のないヘッドフォンを介した僕の声はやけに無機質で遠く、あの掲示板の親戚みたいだった。ヘッドフォンの音量を上げる。プライマル・スクリームの「ロックス」が僕に飛び込んできた。 「ロックス」が収録されていたアルバムは出来損ないのストーンズみたいだった。カート・コバーンがショットガンで頭をぶち抜いたあの年の秋、大学生だった僕はダメストーンズをCDウォークマンに入れてヘビーローテーションしていた。あの日も何かの

    透けブラ少女は空を翔る - Everything You’ve Ever Dreamed
    stonife
    stonife 2008/09/16
    もしDelete_Allさんのおっぱい文学本が出版されたら絶対買います!
  • 質問ですかレロレロレ - Everything You’ve Ever Dreamed

    お前に訊きたいことがあると部長から内線で告げられたのは午後6時9分。仕事を投げ出しiPodと鉛筆を鞄に投げ入れ小学生のときの避難訓練の要領でデスクの下に潜りヤンマガの袋綴じグラビアをビリュリュリュと手刃で切って四つん這いのワンワンスタイルでベロをレロレロレロレロと高速に動かしながら眺め始めたときだ。バッキャロー!ロケンロー!レロレロー!僕は灘坂舞ちゃんのJカップの前でベロをレロレロするためだけに袋綴じに閉じ込められたような心持ちで今日一日を送ってきたのだ。堪へ難きを堪へ忍ひ難きを忍ひ以てレロレロの爲に袋綴じグラビアを開かむと欲す、そう過ごしてきたのだ。部長よ、あなたに僕のささやかな幸せを邪魔をする権利があるのですかと思いつつもわかりましたと無意識のうちに応じている自分に驚く。なぜって?聞いちゃうソレ。ソレ聞いちゃう?リーマンだからに決まっているだろう…。 「個人的にお前に尋ねたいことがある

    質問ですかレロレロレ - Everything You’ve Ever Dreamed
    stonife
    stonife 2008/07/30
    ついにこのブログの存在が部長にばれたかと思ってはらはらしながら読んだのにw
  • 駄菓子屋ガール・ロックンロール - Everything You’ve Ever Dreamed

    地元にある駄菓子屋は婆さん一人で切り盛りしてるような小さい店でお世辞にも綺麗とはいえない。もう25年も前の話になるのだけれど、婆さんの駄菓子屋の店頭にはカラフルな飴玉がつまった瓶、駄菓子、水風船、零戦ヒコーキが溢れ、毎日のようにボンクラ小学生が取り囲んでいた。僕もそのうちの一人で「うまい棒」や「よっちゃんイカ」や「ベビースター」を毎日のように買っていた。そこは僕らの宝島だった。 ガンプラが流行ったとき、プラモ屋が「ド・ダイYS」とザクの「武器セット」を抱き合わせにするような阿漕な商売をして、「あそこではもうプラモ買わねー」「エンガチョ」「店の前に犬のウンコ置いちゃおうぜ」「立ちションしよーぜ」と百円玉3枚を握り締めたボンクラ小学生の失望と顰蹙と怒りの標的になったけれど、婆さんはそんな商売っ気を微塵も見せることなくガンプラが入荷するや否や「シャーガンダムあるよ〜」と僕らに声を掛けてひとつずつ

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    stonife
    stonife 2008/07/24
    文才ありすぎですごい
  • 部長。をプロデュース- Everything You’ve Ever Dreamed

    毎月第三金曜日は月次定例営業会議と決められていて僕は目を覚ました瞬間から憂のなかに沈んでしまう。通勤電車が沈没していく潜水艦のように思える。救いの手もなく、墓標の有りかも知られず、逃げ場もなく、光届かぬ海溝へと沈んでいく潜水艦。手帳を取り出し平成20年7月18日の欄に描いたドクロベエを確認して溜め息が出てしまう。幸せがまたすこし逃げていく。 習性とは恐ろしい。無意識のうちに会社に着き、エントランスを抜けていた。エレベーターの前で部長と総務のマヤちゃんと鉢合わせた。悪魔と小悪魔と僕を胎内に呑み込むとエレベーターは鉄製の扉を閉ざした。一階。三人を閉じ込めたエレベーターはたちまちスパイシーな匂いで充たされた。二階。スパイシー。ノー。そんな生易しいものじゃない。これは異臭だ。僕は非常ボタンを探し始めた。三階。僕は非常ボタンのかわりに部長のワイシャツの脇のところが黄色く変色しているのを見つけた。階

    部長。をプロデュース- Everything You’ve Ever Dreamed
    stonife
    stonife 2008/07/21
    『悪魔と小悪魔と僕』w / 冴え渡ってますね!
  • すべての言葉はサヨナラじゃないぜ - Everything You’ve Ever Dreamed

    風景、音楽、匂い、そして言葉。出会ったときにはとるにたりないようなものが後になってみると頭にひっかかって離れないようなことがある。断片。欠片。前後の文脈や意味は失われ、独立してしまっている記憶だ。僕の場合、「車に潰され、タイヤが三角形に変形してしまった三輪車」であったり、「大学の美術サークルでよく見掛けた女の子の妙に赤いリップ」だったりする。今、僕の頭をかすめて離れようとしないのは君のあの言葉だ。東京、冬の夜。どこかの駅の構内で言われた言葉。時を経るごとに酸化して、変容して、僕を締め付けている。呪いのように。 総務のマヤちゃんと映画を観に行った。突然だった。昼前に連絡が来て、午後には映画館のチケット売り場前で待ち合わせをしていた。七夕≒浴衣という僕の淡い期待はあっけなく裏切られ、胸の部分に英語の文字がプリントされたオレンジ色のTシャツと膝下までしか丈のないジーンズにサンダルという姿でマヤち

    すべての言葉はサヨナラじゃないぜ - Everything You’ve Ever Dreamed
    stonife
    stonife 2008/07/06
    寝ちゃダメだ!!!(北極の探検隊っぽく
  • 乳首を立てろーホッホッホ!(浴衣ガール救出大作戦) - Everything you've ever Dreamed

    風呂最高。マジ最高。この季節、仕事を終えてからの風呂ラブ。僕は息子に声をかけバスルームへ向かう。「おぉい!一緒にお風呂入ろう」この「おぉい!」と声を掛ける瞬間。「立派な息子を授けてくれてアリガトウ」と部長を除く世界中の全人類と宗教を超えた全ての神々に感謝したくなる瞬間だ。 小さな息子にお湯をかけて、「痒いとこあるかぁ」とか「今日はくっせえなあ」とか軽口を叩きながらごしゅごしゅと頭と首周りを洗ってやる。僕は直毛だが息子は天然パーマ。こいつ当に僕の息子なのかな?なんて疑問符が末尾に付着したつまらない思いを振り払うように力強く洗ってやる。息子を洗い終え、手に残った泡をリサイクルして自分の頭を洗い、全身を洗い、全ての泡をすっきりと流して湯船に息子から入れ、次に僕が入る。湯船につかって百まで数えながらその日あった出来事を話し合うのが僕と息子の約束事だ。いーち。にーい。さーん…。 僕は数字を読み上げ

    乳首を立てろーホッホッホ!(浴衣ガール救出大作戦) - Everything you've ever Dreamed
    stonife
    stonife 2008/07/03
    息子は最後に洗うもんだと思ってました
  • オッサン・クルージング・ラヴ - Everything You’ve Ever Dreamed

    この春から最寄りの駅まで自転車を使って通勤している。バス代の節約と健康のために。朝7時半ちょうどに赤いママチャリにまたがる生活。朝の空気が体の外側を流れていく感覚は思いのほか、心地よいものだ。女の子の横を過ぎるときにはストールする寸前まで徐行。二人乗りのアベックのうしろに貼り付いてスリップストリーム。あぁ朝がこんなに楽しいなんて。 先々週だろうか。奴が現れたのは。僕の娯楽を侵略する悪い奴。白いママチャリを駈るオッサン。推定五十才。圧倒的なスピードで僕をぶっちぎっていく。抜いた瞬間にジリジリっと錆びたベルを鳴らす。最初は気にしなかったのだけれど、毎朝、追い抜かれていたら世界中のどんな平和主義者だって自転車に油をさすだろう? 奴のスピードの秘密は独特のフォルムと地の利にある。フォルム。奴は前頭部が禿げている。毛髪は後頭部に縞模様を描く程度に遺すだけ。空気抵抗は限りなく少ない。地の利。奴は丘の住

    オッサン・クルージング・ラヴ - Everything You’ve Ever Dreamed
    stonife
    stonife 2008/06/08
    自分が女だったら惚れちゃう
  • あの夏、地上最大のオッパイが。- Everything You’ve Ever Dreamed

    ピーチジョンのエロティックな広告写真。ホームに滑り込む電車の騒音をバックミュージックに、それを舐めるように見ている僕の後ろを一人の淑女が通り過ぎて行った。振り返り横顔を見る。間違いない。彼女だ。あの夏、僕の人生を、僕の未来を変えてしまった地上最大のオッパイの主。ヴィーナス。声をかけようとしたが名前を思い出せなかった。あれほど追い求めた存在であったのに。 1991年の夏。高校三年生だった僕と悪友の西ヤンは腐っていた。真面目にやっている連中、反抗している連中、すべてを斜めから見ていた。授業。夏期講習。体育祭の創作ダンスの練習。すべてをサボタージュして大半の時間を第二校舎の屋上で潰していた。僕らは屋上を「ヘヴン」と名付けて、毎日のように、流れていく雲や富士山のシルエットを眺めたり、昼寝をしたり、買ってきたエロを模写するという意味のない行動をしていた。空は青く、太陽の陽射しは心地よかった。いつか

    あの夏、地上最大のオッパイが。- Everything You’ve Ever Dreamed
    stonife
    stonife 2008/06/02
    id:Delete_Allさんは、おっぱい文学の巨匠です
  • 僕は、僕のなかの彼女にグッドバイをする - Everything You’ve Ever Dreamed

    中性的な顔つきのせいか、実年齢より少し若くみられることが多い。正確に把握しているわけではないけれど、20〜22才程度にみられることが多いみたいだ。「若くみえる」 手放しでは喜べない。それは「威厳」や「落ち着き」といった年相応に身に付けていなければならないものが欠けているという意味を内包しているからだ。今はもうあまり言われることはなくなってしまったけれど、以前はよく、或る女性タレントに似ていると言われた。「レナ?」「レナじゃない?」と僕を指差して。駅。書店。レストラン。いたるところで言われた。僕は憎んでさえいた。田中麗奈似のこの顔を。 夜。コンビニ。二つの要素は若者を無法者にする。我がもの顔で大声を出しながら店内を闊歩している。生意気なことに可愛い女の子を連れていることが多い。不愉快だ。背を向ける。憤りでうっかりしていた。こういう状況下、僕の若くみえる容貌と田中麗奈顔は格好の獲物になりえるの

    僕は、僕のなかの彼女にグッドバイをする - Everything You’ve Ever Dreamed
    stonife
    stonife 2008/05/25
    だれだれに似ている、と言われてうれしいことなんて一つもないよな
  • 上司びんびん物語 - Everything You’ve Ever Dreamed

    その日、僕の住む街は夏日だった。気温が高くなって夏の気配が空気を充たしだすと、理由はよくわからないのだけれど決まって僕の気分は沈んでしまう。夏が来るたびに沈んでしまうんだ。 僕は沈んでいた。仕事や将来についていろいろと考えて。キーボードをカタカタと叩いていると、なんだかその音に吸い込まれて自分自身がなくなってしまいそうな、そんな感じがした。僕のやりたい仕事って何だっけ?とか考えていると、沈むってもの。 夕刻、そんな僕の異変に気付くとはとても思えない上司から飲みに誘われた。僕の口数が少ないと飲みニケーションで解決しようとするのが彼のお決まりのパターン。断る気力もなかったので30分後にはいつもの居酒屋で形だけの乾杯をしていた。乾杯?何に対して?と卑屈な目で眺めながら。 いつものように、上司の話は適当に相槌を打ちながら流した。今日の板わさは桃色の部分がないんだね、どうしてだろう?とかつまらないこ

    上司びんびん物語 - Everything You’ve Ever Dreamed
    stonife
    stonife 2008/05/09
    『薬なんかなくたって、僕だって、オッパイさえあれば』 そうだそうだ! / タイトルが秀逸すぎる!
  • 有料エロ・チャンネルで心の隙間を埋めたいの - Everything You’ve Ever Dreamed

    出張に行った。仕事を終えてチェックインした部屋は特徴がないのが特徴というくらいの代物で、僅かに僕のなかに残っていた旅行気分を払拭するには十分なつくりだった。労働環境を支える、凝り性な総務のいい仕事。舌打ち。近くの蕎麦屋でざるそばをべながらビールと焼酎を飲んでいたせいか、どうしても温泉に入る気にならず部屋に備え付けのシャワーを浴び、ベッドの上で横になった。それから唯一の娯楽設備であるテレビのリモコンを手に取り電源を入れた。 ニュースとスポーツをひと通り見てしまうと、いよいよやることがなくなってしまった。リモコンに目をやる。赤いボタンが目に付いた。3個あるボタンの上には「有料」の文字。有料だから映るわけないとなかば諦めつつ、とりあえず押してみた。極小の黒ビキニを着たお姉さんが5人、大きな乳房を揺らしながら踊っていた。右上に小さく「お試しタイム」の表示。 お姉さんたちは全身がローションでテカテ

    有料エロ・チャンネルで心の隙間を埋めたいの - Everything You’ve Ever Dreamed
    stonife
    stonife 2008/04/16
    孤独なエロは僕らの心の隙間を一瞬埋めてくれるけど、そのあともっと大きな隙間を残して去っていくからなぁ
  • 我々労働者は断固としてオッパイを要求する - Everything You’ve Ever Dreamed

    3年ほど努力したつもりだが、彼の者に叡智を授けることは出来なった。 2年前。3月上旬の会議。僕は目標の9割5分を達成していた。部長は「予算未達成だな。期末まで死ぬ気でやれ。自分の置かれた立場がわかっているのか?」と言って僕を叱責した。会議終了後、部長から誘われ、居酒屋の暖簾をくぐってビールを飲んだ。つまみは板わさと枝豆と焼きそば。割り勘だった。 1年前。3月上旬の会議。僕は目標を2割増しで達成していた。部長は「お前、予算というものがわかってないのか?ただ数値を伸ばせばいいというものじゃないんだぞ。予算以上の数値は会社に負荷になっているんだぞ。自分の置かれた立場がわかっているのか?」と言って僕を叱責した。会議終了後、部長から誘われ、居酒屋の暖簾をくぐってビールを飲んだ。つまみは板わさと枝豆と焼きそば。割り勘だった。 今年。3月上旬の会議。僕は目標数値をきっちりと達成していた。部長は「お前、予

    我々労働者は断固としてオッパイを要求する - Everything You’ve Ever Dreamed
    stonife
    stonife 2008/03/30
    ここまでくると、おっぱいとは? という哲学的な疑問すら湧いてくる・・・が、内容には全面同意(笑)
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