愛知県犬山市の国宝「犬山城」の天守閣最上部にあるしゃちほこ1体の一部が欠けているのが見つかり、犬山市は13日朝、被害の調査を始めた。尾が欠けたとみられていたが、実際はほぼ全壊していることがドローンによる調査で分かった。 市職員と消防署員ら約15人が調べた。2体あるしゃちほこのうち、天守閣北側の1体(高さ1.2メートル)は、尾に加えて胴や顔などほぼ全体が壊れていた。天守閣の北東側には、しゃちほこの破片数枚が落ちているのも見つかった。12日夕の豪雨時の落雷による衝撃が原因とみられる。 市は、文化庁と修復方法などについて協議する。一方、安全が確認されるまで、天守閣への一般の入場は禁止する。城を所有する公益財団法人犬山城白帝文庫の成瀬淳子理事長は「江戸時代に落雷があったという記述を見たことがあり、それ以来ではないか。できるだけ早く修復したい」と話した。【花井武人】