中学受験に向けた勉強は小学2年の2月から始まり、4年からは放課後に友達と遊んだ記憶はほとんどない。 不満はあったが、兄2人も通ってきた道だった。 受験本番を迎えた2月1日、雪が降っていた。 首都圏の「御三家」と呼ばれる最難関校の一校を受験した。模試の成績は悪くなかった。手応えはあったが、結果は不合格。翌日は第2志望、翌々日は第3志望を受験したがいずれも落ちた。4年間をささげた受験は「惨敗」だった。 だが、失意のどん底に落ちた記憶はない。努力が無駄になったと、落ち込むこともなかった。 「受験を自分事として捉えられていませんでした。勉強をただやらされていたのでしょう」 慶応大言語文化研究所教授の川原繁人さん(43)は振り返る。 「今は、中学受験に失敗して本当に良かったと思っています」 <目次> ・小学2年の冬から受験勉強 ・友人と遊ぶには「事前申請」 ・受験に失敗、学校生活は ・「普通ではない
北海道で「鉄路からバスへの転換」にいち早く取り組み、象徴的な存在だった夕張市。全国唯一の財政再生団体でもある同市はいま、バスの運転手が減少し、公共交通のあり方が岐路を迎えている。打開策として、一般ドライバーが自家用車に有料で利用者を乗せる「ライドシェア」の導入も検討されるが、課題も多い。住民の足に何が起きているのか。 関連記事 運転手不足でバス路線廃止、全国で相次ぐ ライドシェアには賛否 海外では「市民の足」 ライドシェアを英国と中東で使ってみた 道都・札幌市から約70キロ、車で約1時間半運転すると、2007年に財政破綻した夕張市に到着する。23年11月末に訪れると、すでに市内は雪が降り積もり、かつて「炭都」と呼ばれた名残でもある、石炭の採掘時に捨てた石が積み上がった「ズリ山」は白く覆われていた。 夕張市は1960年には人口が約11万7000人に達し、国内有数の産炭地として発展したが、エネ
能登半島地震で亡くなった人々の死因が31日、警察庁の分析で初めて明らかになった。多くが「圧死」だが、「低体温症・凍死」も全体(222人)の14%にあたる32人に上った。厳寒地の被災地で救助を待つ間に死亡した可能性が高い。うち30人は半島北部の輪島市と珠洲(すず)市に集中しており、道路寸断による救助の遅れが影響したとみられる。 「道路や救助の状況によっては救えた命だったかもしれない」。警察の依頼で被災地に入った日本法医学会石川県派遣団の一人、高塚尚和(ひさかず)医師はこう話す。高塚氏は1月6~8日の3日間、輪島市で22人の遺体検案に当たり、9人の死因を低体温症と判断した。倒壊した家屋に閉じ込められていた例が多かったという。
1974~75年の連続企業爆破事件のうち一つに関与した疑いがあるとして指名手配されている過激派「東アジア反日武装戦線『さそり』」メンバー、桐島聡容疑者(70)とみられる男性が29日朝、入院先の神奈川県内の病院で死亡した。捜査関係者への取材で判明した。男性は末期がんを患っていた。警視庁公安部は、DNA型鑑定などで男性が桐島容疑者かどう…
警視庁前に掲示された桐島聡容疑者を指名手配するポスター=東京都千代田区の警視庁で2024年1月26日午後5時11分、猪飼健史撮影 1974~75年の連続企業爆破事件のうち一つに関与した疑いがあるとして指名手配されている過激派「東アジア反日武装戦線『さそり』」メンバーの桐島聡容疑者(70)とみられる男性が神奈川県内で建設関係の仕事に就いていたことが、捜査関係者への取材で判明した。本人しか知り得ない情報を話しているといい、警視庁公安部は桐島容疑者本人の可能性が高いとみているが、県内の病院に入院中で重篤な状態という。公安部は任意で調べを進める方針。 捜査関係者によると、桐島容疑者とみられる男性は職場の同僚に付き添われ、来院した。入院したのは1月に入ってからで、健康保険証や運転免許証など身分を示す物は所持しておらず、自費で診療を受けているとみられる。
新幹線の運転見合わせについて拡声器でアナウンスする駅員=JR仙台駅で2024年1月23日午後2時7分、遠藤大志撮影 さいたま市で23日午前に起きた新幹線の架線トラブルでは、走行中の新幹線のパンタグラフや窓ガラスが破損した。この車両の乗客は取材に「上からポールのようなものが落ちてきて、窓にひびが入った」と証言した。トラブルは東京と東北・北信越を結ぶ大動脈が長時間断たれる事態に発展し、各地に影響が広がっている。 破損があった車両は、金沢発東京行きの北陸新幹線「かがやき504号」。JR東日本によると、トラブル後に高架上で立ち往生し、乗客359人は午後1時半ごろまでに線路上に降り、歩いて近くのJR埼京線与野本町駅などに向かった。 報道陣の取材に応じた美容サロン経営の30代女性は「走行中、上からポールのようなものが落ちてきて、10号車の窓にクモの巣状のひびが入った。3秒後くらいにブレーキがかかって、
最大震度7を観測した能登半島地震。石川県輪島市の沖合約50キロの日本海に浮かぶ「舳倉(へぐら)島」では震度5弱を記録し、島民3人が被災した。食料の備蓄はあったものの、停電と断水、そしてネットもつながらずニュースを見られない。3人は孤立状態で約2週間を過ごし、14日に自衛隊のヘリで脱出。輪島市街地の大規模な焼け跡などを初めて目の当たりにして衝撃を受けた。 舳倉島は釣りやバードウオッチングの愛好家によく知られ、周囲約5キロ、最も高い丘は海抜約12メートルだ。現在は約30人が定住し、夏場は民宿を営業する人や海女たちが滞在して人口が増える。元日は輪島の市街地などで親族と過ごす人が多く、残っていたのは北陸電力の委託で電気設備の保守点検を担う坂口剛さん(57)と妻の幸子さん(56)、近所に住む海女の中野美津子さん(72)だけだった。
A子さん(28)は従業員100人ほどの商社で、営業事務の仕事をしています。同社は社長の方針で、忘年会、新年会、お花見、暑気払い、バーベキュー、ボーリング大会など1~2カ月に1度のペースで会社の宴席があります。会社は労使協定を結んだ上で親睦費用として、社員から毎月2000円ずつ天引きしています。A子さんは会社の宴会がストレスでしかありません。 新型コロナウイルス禍になった際、こうした会社の宴会は中止となり、A子さんはホッとしていました。ところが2023年から復活してしまい、その日が来るのが憂鬱です。営業の外勤なら出張などを入れることもできますが、内勤のA子さんは断る理由を考えるのも苦痛です。 一方、A子さんの同僚は「毎月給料から2000円引かれているのだから出席しないと損だ」と言います。周りと適当に話を合わせておけばよいし、仕事中は見えなかった上司の人間性を知る機会にもなるため、ストレスはな
困ったことがあっても誰にも相談できない。異変があっても誰にも気がつかれない。 孤立する高齢男性の問題はどこにあるか。仕事をしている中年の男性は本当に孤立や孤独感と無縁なのか。 東京都健康長寿医療センター研究所研究部長の小林江里香さんと考えました。【聞き手・須藤孝】 ◇ ◇ ◇ 退職した後に交流する人はいるのか ――中年の男性にも孤立の問題はあるのでしょうか。 ◆仕事で交流があるから問題ないと思われていますが、本当にそうなのか、ということです。 もともと高齢男性は女性に比べて孤立しやすい問題は指摘されていました。 しかし、高齢になってからの孤立は、その前の中年期に問題があるのではないかということです。 今、仕事で交流があっても、仕事以外であるのか。退職した後に交流する人はいるのか。早めになにかしておく必要がある、という視点です。 「働いているから大丈夫」ではない ――自分は働いているから大丈
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