「おまえが長く深淵を覗くならば、深淵もまた等しくおまえを見返すのだ」ドイツの哲学者、フリードリヒ・ニーチェのこの言葉がうっかり思い浮かんでしまったわけだが、全く関係ないかもしれない。 宇宙望遠鏡の設置以来、専門家はこれまでになかったほど宇宙の深淵(深奥)を覗き込めるようになった。彼らが遠くを見つめるほどに、そこに映る景色は古い時代のものへと遡ることになる。数十億年前の宇宙の姿を目撃することもできるのだ。 最近、ハワイのジェミニ天文台を使う国際的研究チームが、110億光年先にある渦巻銀河の発見に成功した。 新しい観測技法で発見された渦巻銀河「A1689B11」 これは重力レンズと分光器を組み合わせた新しい観測技法の賜物である。その渦巻銀河「A1689B11」はビッグバンからわずか26億年後には存在しており、今日までに発見されたものとしては最古かつ最遠の渦巻銀河だ。 この画像を大きなサイズで見