岸田文雄首相のジョー・バイデン米大統領主催公式晩餐(ばんさん)会(現地時間10日夜)での挨拶と、米連邦議会上下両院合同会議での演説(同11日午前)は米側で大いに受けた。 もちろん、理由がある。ジョークを交え、ウイットに富んだ会話が好まれる米国社会では、そうしたスピーチやパフォーマンスが高い評価を得る。 首相演説や挨拶は通常、首相官邸の秘書官グループが作成する。外遊先でも基本は同じ。ただ、安倍晋三首相にはプロのスピーチライターがいた。歴史に残った「希望の同盟」と題した安倍氏の米議会演説(2015年4月)の草稿を書いた谷口智彦氏である。同氏は、海外の訪問地、外国向けスピーチすべてに関与した類例がないケースだ。 では、なぜ今回の岸田首相のそれが米議会でスタンディングオベーション16回、晩餐会で大笑いを獲得したのか。 そう、知見と経験がある米国人スピーチライターに助言を仰いだからだ。その人物及び事