先週の土曜日のことです。夜九時半ごろ、駒場東大前駅のホームでいかにもホームレスらしき風体をした老婆に金を貸しました。まずはそのいきさつから説明します。 僕がホームに立っていると、いきなりベンチに座っている老婆から「あなた東大生?」と聞かれました。「うん」と答えると、「私に千円貸してちょうだい」と云ってきました。どうせ返せないだろう、と思って「どうやって返す気なんや」とたずねると、私の身分証の番号と住所を控えてくれ、と云ってきます。家があるのかと聞くと、「ある」と老婆は答えました。どこにあるのか、と聞くと「USAエアフォース」と英語で答えます。老婆の言葉には、不自然に英語が混じっていました。 老婆の外見はピンクのフリースを着て、半ズボンにサンダルを履いていました。大きなビニール袋を三つ持ち、そこには荷物がたくさん入っていました。髪の毛はずいぶん薄くなっていて、ボサボサです。顔は日焼けで茶色く