致死率が3割に上るともいわれる危険な感染症が、いま、過去最多のペースで急拡大しています。「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」、いわゆる「劇症型溶連菌」です。 手足の壊死えしや多臓器不全を引き起こし、ショック症状から死に至ることもあり、“人食いバクテリア”とも呼ばれています。 国や自治体も注意を呼びかけているこの感染症。命を守るためには何が必要なのでしょうか? (「クローズアップ現代」取材班) 一般的な「溶連菌」と「劇症型」の違いは? 一般的な溶連菌は感染しても無症状のことが多く、ほとんどは発熱、咽頭炎、皮膚の発疹などにとどまります。子どもがかかるイメージを持つ人も多いと思います。 ところが、通常は細菌が存在しない筋肉や血液、肺などに溶連菌が入り込むと、ごくまれに「劇症型」の症状を引き起こします。かかるのは30歳以上がほとんどで、急激に症状が悪化し、発病後、数十時間で死に至ることも少なくありませ