かつては「PC98」で一世を風靡し、今でもパソコンの国内市場ではトップシェアを持つNECがその事業を中国最大手のレノボに売却することで最終調整している。具体的にはパソコン事業の子会社であるNECパーソナルプロダクツにレノボから過半数を超える出資を受ける見通しであり、主導権はレノボに移ることになるだろう。レノボは6年前、米IBMのパソコン事業を買収したことで一躍世界的に注目を浴びた企業である。 なぜ、NECが国内トップシェアを保有し、しかも黒字である事業を売却するのか。この本質的な理由を突き詰めていくと、日本の多くの企業が抱えている共通の問題点に突き当たる。 NECのパソコンの国内シェアは約18%だが、世界ではシェアが0.9%しかなく、トップ10にも入っていない。少子高齢化で国内市場は大きな伸びが期待できないうえ、東芝や富士通など強豪メーカーがひしめき合い、量販店での薄利多売の競争になってい
![中国企業へのパソコン事業売却を模索するNECの事情(井上 久男) @gendai_biz](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/372489352b9b4007716378b7b6e9d2b937a5088a/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fgendai-m.ismcdn.jp%2Fcommon%2Fimages%2Fv3%2Fmeta%2Ffb_ogp-image.png)