この記事は僕個人の体験に基づいたサンプル数1の事例である。 僕が住んでいた地方特有の現象かもしれず、他の地方の公立中学校には当てはまらない可能性が高いことを予め記しておく。 僕が通っていた人口8万人の田舎の公立中学校は、暴力が支配する修羅の国であった。 強いヤンキーが権力者として君臨し、武力による明確なヒエラルキーがあった。 正確にいうと、武力だけではなく、 「いかに悪いことができるか」 でヒエラルキーの中での立ち位置が決まっていたと思う。 一部のヤンキーはピアスの穴の大きさを競いあい、耳の穴から“向こう側”が見えることを誇りにしていた。 万引きした商品の金額を自慢するヤンキーもいた。 “鯉の滝のぼり”という、タバコの煙を口から吐いて鼻から吸うような、そんな技を披露して自慢するヤンキーもいた。 いま振り返っても無法者が崇め奉られる悪の世界だった。 もちろん、全ての生徒が不良だったわけではな