【ニューヨーク=山川一基】世界最大の書店チェーン、米バーンズ・アンド・ノーブル(米ニューヨーク市)は3日、会社の売却を検討すると発表した。電子書籍に押されて店頭での販売が落ち込み、株価が低迷。敵対的な買収攻勢を受けていることなどが背景にある。 全米で720店を展開するバーンズの流通量は、電子書籍の台頭や景気低迷の影響で減少傾向にある。バーンズも独自の電子書籍用端末「ヌーク」を発売し、電子書籍をネット販売しているが、この市場では端末「キンドル」を開発した米アマゾンが優位。米アップルも新端末「iPad(アイパッド)」で参入し、競争は強まっている。 バーンズの株価は3年前の3分の1程度に低迷している。取締役会は3日、「株価は著しく割安だ」と表明。「(会社売却など思い切った措置が)電子書籍事業を最大限に活用し、株主や顧客、従業員のために価値を向上するのに適切だ」との考えを示した。 創業者で株