「日本そば」にまつわる温故知新を得るため、前篇では日本そばの歴史をたどった。数千年の長いそばの歴史の中で、450年前の戦国時代にそばは麺の形になった。比較的新しい出来事といってよさそうだ。 ここ100年で、そばを巡る大きな変革を挙げるとしたらどうだろう。屈指と言えそうなのが「即席そば」の誕生である。そばは、手打ちの生麺から、棒状の乾麺へ、そして袋やカップに入った即席麺へと発展していった。 後篇では、スーパーマーケットやコンビニエンスストアでも見られ、国民食的存在となったカップそば「緑のたぬき」を製造・販売している東洋水産の開発者・研究者に話を聞いた。従来のそばを意識しつつも、即席麺としての風味を追究していく。開発は温故知新の積み重ねのようだ。また、東洋水産はそばを健康などの側面からも研究している。その中で、日本人に馴染みのなかったそばにも研究の眼を当てているのだ。 日本そばの即席麺というジ