本は再販売価格維持制度(再販制度)に基づく定価販売が長年、当たり前とされてきたが、古本チェーン店やネット書店、電子書籍などが登場し、価格は多様化している。発売から一定期間を過ぎた本を値引き販売する「時限再販」に取り組む出版社も増えてきた。本の値段はどうあるべきか。識者らに聞いた。 隙間を突いたネット販売 津田大介さん(ジャーナリスト) 日本の書籍市場は良い意味でも悪い意味でも「ガラパゴス」だった。取次を介した流通網が整備され、売れ残りを返品できる委託販売制度があるため、小規模出版社の参入が容易で、その結果多様な出版物が生まれた。単行本も米国と比べると安い。 ただ、本を取次に卸した段階で出版社に売り上げがたつことから、特に中小出版社などでは、返品があろうが、とにかく新刊を出し続ければ自転車操業できる。書店の棚には限りがあるため、出版点数が増えたことで本の回転も早くなり、店頭で地味な良書を長い
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