政策論争において日本と他の先進各国の間に何か違いがあるとすれば何だろう。経済政策について言えば、たとえばアメリカの場合まず共通の経済学的土台があって、その上で金融緩和や財政出動のレベル、再分配とか累進課税の度合いなどの点でのせめぎ合いがある、といった印象がある。ある種の価値観を対立軸としてはいるのだが、同時に根本にある経済理論にそれほど本質的な違いはないという特徴があるようだ。少なくとも現在ではレーガン時代初期に問題となったサプライサイド経済学の勢いはほとんどないんじゃないだろうか。ところが日本の場合は自民党内でも民主党内でも経済政策についての共通のコンセンサスというものが果たしてあるのかどうか疑わしい。特に日本独特の対立軸と思われるのは「財政出動*1か構造改革か?」(あるいは「短期的なバラマキか長期的な根本療法か?」)というものである。普通日本以外の先進国では経済政策として(金融政策も含