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ブックマーク / cruel.hatenablog.com (25)

  • 統計の不備と、各種統計の「相関」の話 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    Executive Summary 統計の信頼性について疑問を呈した柳下毅一郎のツイートを、山形は一蹴した。が、その後勤労統計の集計方法の不備が露見した。ここから、この統計は捏造であり、それが相関しているならすべての統計が捏造だ、という極論を述べたブログが出た。しかし統計は、一かゼロか、完璧かすべて捏造か、というものではない。またその相互の関係も、機械的な関係があるということではない。信頼性の非常に広い幅の中で上下するだけなので、実際にどんな不備があってどのくらい影響を及ぼすのかを具体的に考えないと、妥当性のない陰謀論に流れてしまうだけだ。 はじめに しばらく前に、柳下毅一郎がこんなツイートをした。 アベノミクスで経済がよくなってるとおっしゃるリフレ派の方々は、なぜ財務省の出す経済指標は捏造されてないと信じられるのだろうか。— Kiichiro Yanashita (@kiichiro)

    統計の不備と、各種統計の「相関」の話 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • 自分の翻訳をめぐるちょっとした愚痴。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    翻訳についての人の感想は様々だ。そして翻訳がちょっと面倒なのは、それが訳者だけのオリジナルではないからだ。原文があって、それをもとに翻訳は行われる。ある訳文があって、それがある読者にとっては読みにくいと思えた。それはだれのせいかといえば……訳者のせいかもしれない。でももう一つ、原文のせいかもしれない。 その昔、ウィリアム・バロウズを訳しはじめた頃(というのは前世紀末)、ちょうどネットが出てきた頃で、だれかに「翻訳がひどい、日語になっていない」という感想を書かれたおぼえがある。いやあ、それはですねえ、もとの文がまともな英語じゃないんですよ。カットアップですから。だからその翻訳が日語になってないのは、むしろ忠実な訳ということなんですよ、と思ったっけ。ぼくはかなり原文に忠実な翻訳者なのだ。だから翻訳文が読みにくいとしても、それは往々にして原文の反映だったりする。 そういうと、意外に思う人もい

    自分の翻訳をめぐるちょっとした愚痴。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    suginoy
    suginoy 2017/11/17
  • 華麗なるギャッビーと戦争 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    Executive Summary フィッツジェラルド『華麗なるギャッビー』は、当初それほど評判はよくなかったし、フィッツジェラルドも晩年は不遇だった。だが、第二次世界大戦の米軍兵士慰問用の推薦図書に含まれたことで、その命運は変わった。つらい戦場の兵士にとって、この小説は華やかで豊かな夢のアメリカのイメージを喚起する小説として人気を博したのだった。そして、それがフィッツジェラルドの戦後の読者層を確保したことで、彼は再評価されるに到ったという。 華麗なるギャツビー (角川文庫) 作者:フィツジェラルドKADOKAWAAmazon フィッツジェラルドの『華麗なるギャッビー』は、アメリカ金ピカ時代を描いた大傑作で、村上春樹が訳しなおしたりしている。作者存命中は全然売れず、その死後にフィッツジェラルド再評価の気運が高まって大ブレイクを果たしたというのも有名なところ。 村上訳『グレートギャッビー』の

    華麗なるギャッビーと戦争 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    suginoy
    suginoy 2015/05/01
  • 山形浩生 の「経済のトリセツ」

    Executive Summary オーウェル『一九八四』をジュリアの視点から語り直した、フェミ版『一九八四』というふれこみで出てきた小説だが、その中身はというと、実はジュリアは体制側のスパイで、下々の男たちはみんな、ジュリアにハニーポットで陥れられただけのバカでした、というもの。『一九八四』はすべて、彼女の仕組んだ猿芝居でしかなかったという原作軽侮の極致。その彼女も裏切られて愛情省で拷問を受けるが、最後にネズミをいちぎって男との格の差を示し、ビッグ・ブラザーへの憎悪を確信して、反乱軍を(一瞬で)見つけ出して囚われのビッグ・ブラザーと対面し、総攻撃に向かう。『一九八四』の世界やイデオロギー観に何も付け加えないどころか、女子をかっこよく描くためにむしろ退行した、原作に対する冒涜でしかなく三流フェミ二次創作。 Newman ”JULIA": オーウェルの顔を長で踏みにじる粗悪なフェミ二次創

    山形浩生 の「経済のトリセツ」
    suginoy
    suginoy 2015/02/22
    “正直いって、ピケティの各種インタビューはどれを読んでも、あらゆる人がまったく同じ質問をしていて、答えもまったく同じ。つまらないことおびただしい。”
  • エアーズ『その数学が戦略を決める』ワイン方程式のまちがい? - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    その数学が戦略を決める (文春文庫) 作者: イアンエアーズ,Ian Ayres,山形浩生出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2010/06/10メディア: 文庫購入: 34人 クリック: 303回この商品を含むブログ (76件) を見る 上記の拙訳、ぼくの訳書のなかでも比較的売れ行きがよく、いまのビッグデータブームを先取りしたでもあるし、なかなかおもしろい。 で、その冒頭のところに、アッシェンフェルターによるワイン方程式が出てくる。 ワインの品質 = 12.145 + 0.00117×冬の降雨量 + 0.0614 ×育成期平均気温 - 0.00386×収穫期降雨量 というもの。さて、最近いくつかのウェブサイトで、これがまちがってるという指摘が行われた(というかかなり前のやつもあるけどぼくが気がついたのが最近ということ)。以下の三つ: horioの雑記帳:ワイン方程式の論文とデータを見

    エアーズ『その数学が戦略を決める』ワイン方程式のまちがい? - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • 高齢時の知能も子供の頃にかなり決まっちゃうんだって。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    貯まっていた Science をいっしょうけんめい消化しているんだけれど、そこで見たおもしろい記事。老化特集なんだけれど、そこで子供時代のIQと高齢になってからのIQを調べた研究についての話が出ている。 Emily Underwoood, "Starting Young" (Science 31, 2014/10) スコットランドで、11歳のときのIQとその50年後のIQを追跡調査で千数百人について追跡したんだって。そしてそれで得られた知見は……だいたい見当つくでしょ。11歳のときに高IQだと、高齢になってからも高IQだということ。50%くらいの説明力があるそうな。だいたい子供の頃にかなり決まっちゃうんだねー。幼児教育や児童教育はケチらずがんばろうぜー。それは高齢化対策にもなるんだから。 この研究で他におもしろかったこと。 ワイン飲んでも知能改善になるかどうかわからんらしい。 一日にワイン

    高齢時の知能も子供の頃にかなり決まっちゃうんだって。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • ピケティ『21世紀の資本』サポートサイトその他 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    21世紀の資 作者: トマ・ピケティ,山形浩生,守岡桜,森正史出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2014/12/09メディア: 単行この商品を含むブログ (107件) を見る 1. サポートサイト β版公開 ピケティ『21世紀の資』は、使用データやエクセルファイルを全部ウェブのサポートサイトで公開し、に載らなかった詳細なデータ表やグラフ、各種データの説明などはそちらに載せてある。そして専門補遺でも計算の説明の相当部分は「Excelのセルの計算式を見るように」という説明になっている。 つまり、としてはこのサイトの中身もセットで一通り訳さないと、完全な翻訳にはならないわけだ。 ということで、サポートサイトを以下にほぼ完全に翻訳した。 ピケティ『21世紀の資』サポートサイト http://cruel.org/books/capital21c/ オリジナルのサイトとほぼ同じ内容

    ピケティ『21世紀の資本』サポートサイトその他 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • ワグナー『未来のイノベーターはどう育つのか』:好奇心を引き出し自由に変わり者であることを恐れず……つまらん。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    未来のイノベーターはどう育つのか――子供の可能性を伸ばすもの・つぶすもの 作者: トニーワグナー,藤原朝子出版社/メーカー: 英治出版発売日: 2014/05/13メディア: 単行この商品を含むブログ (1件) を見る 今後アメリカ、いや世界経済の発展は、いかにイノベーターを養成できるかにかかっている、とのこと。そうかもしれませんねえ。で、どうやったらイノベーターを養成できるのか? 著者は、いろんなイノベーターや学者にインタビューしてその秘訣を抽出しました、というんだけれど、基的にはいい学校に入れてなんとかメソッドで型にはまった教育をさせるのではなく、自由に自分の可能性を追求させ、好奇心を引き出すような環境をつくり、努力を支援して権威主義的ではない教育を行い、あれこれ口を出したりせず詰め込みや押しつけは避け、いくらでも失敗していいことをわからせ、変わり者であることを恐れず…… つまらん

    ワグナー『未来のイノベーターはどう育つのか』:好奇心を引き出し自由に変わり者であることを恐れず……つまらん。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • ブッシュ『as we may think』 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    コンピュータの古典文献シリーズ。名前は何度も聴いたことがあったが、実物を読んだことはなかったので、見つけたついでに訳してみました。ハイパーテキストの概念を最初期に提案した文章として有名。 ものすごくアナログで古くさい部分(トランジスタもテープレコーダもできてない時代の文だから当然なんだけど)と、いまも通じる思索の部分との混在ぶりがおもしろい。文中の熱電管というのはつまり真空管のことね。ブッシュは弾道計算のプロジェクトで、デジタルコンピュータよりアナログコンピュータを使おうとしたそうで、あんまりデジタルという発想が全面には出ていないけれど、先進的なことを早い時期に考えていたのはよくわかる。あとメメックスって、何かすごい語源でもあるのかと思っていたら、「いい加減につけた」の一言でおしまい。わははは。マイクロフィルムを使うシステムを考えていたのか……バベッジの解析機関を再現する試みみたいに、メメ

    ブッシュ『as we may think』 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    suginoy
    suginoy 2014/04/26
    “コンピュータの古典文献シリーズ。" "ハイパーテキストの概念を最初期に提案した文章として有名”
  • あらためて、オリンピックに経済効果なんかないこと。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    昔、Voiceに、オリンピックに経済効果なんかないし、無理して誘致すべきでない、というコラムを書いた。 オリンピックには経済効果なんかありません。(2007/05) 2007年の話で、ここで話題にしているのは、2016年リオデジャネイロオリンピックが選ばれたときの話。ぼくが言ったとおりアメリカ大陸になったでしょー。 で、その中で話題にしている研究というのは、以下のものだ。 Jeffrey G. Owen (2005) "Estimating the Cost and Benefit of Hosting Olympic Games: What Can Beijing Expect from Its 2008 Games?" The Industrial Geographer, Volume 3, Issue 1, p. 1-18 こうやっても君たちは読まないだろうから、ざっと訳してあげまし

    suginoy
    suginoy 2013/09/11
    “でも、どうしてもやるんなら、それが役にたつとか施設整備とか景気刺激とかインフラとか、そういうインチキなお題目でそれを正当化しようとしないでほしい。これは高価なお遊びの無駄遣いでしかない。”
  • マラテール『生命起源論の科学哲学』:すばらしい。創発批判本! - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    生命起源論の科学哲学―― 創発か、還元的説明か 作者: クリストフ・マラテール,佐藤直樹出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2013/01/19メディア: 単行購入: 7人 クリック: 1,476回この商品を含むブログ (7件) を見る 生命の起源をめぐる各種議論についての。ここしばらく、科学哲学というのは基的にアホダラ経であって読む価値がない、という思いをだんだん強くしていたんだけれど、こので多少は見直した。 生命ってどうやってできたの、というのは基的に生物学の根底にある大きな謎の一つ。で、書はまず、生命って何、という議論を紹介し、その中で最近出てきた創発的説明について分析を加える。で、最終的には、創発的な説明って実は説明になってないんじゃないか、という指摘をして、いずれ還元的な説明が行われるだろう、と述べる。 おっしゃる通りだと思う。創発的現象、といっただけでなんか説明

    マラテール『生命起源論の科学哲学』:すばらしい。創発批判本! - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • エレクトラグライド2012:あれで8800円は安い。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    行って参りましたエレクトラグライド@幕張メッセ。その前の上海がに宴会が思ったより長引いたのと、幕張の遠さをなめていたのとでAmon Tobinの中盤過ぎにやっと到着したのは計算外。Kode9 を聞き損ねてしまった…… でもあの ISAM Live のセットを見られたのは非常に感激。 DJ Kentaro は結構よくて、その後の電気グルーヴとOrbital はもう大サービス精神発揮。正直いって、低音全体にきかせすぎて、Orbital の名曲ベルファストとか、メロディの部分とか完全に飛んでいたのは惜しいとは思うが、まああんなものか。ボン・ジョビはやらなかったけど、ベリンダ・カーライルは使っていてお懐かしや。 で、ぼくが今回すごく期待していった Four Tet なんだけど…… いま一つうまくいっていなかったような気がする。音をいろいろ置こうとするんだけれどどれも落ち着かなくてすぐに途切れてしま

  • 岩田健太郎『主体性は教えられるか』:主張はわかるが無内容。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    主体性は教えられるか (筑摩選書) 作者:岩田 健太郎発売日: 2012/03/01メディア: 単行 題名見て、おもしろそうだと思ったんだが、大はずれ。 著者はお医者さんで、最近の連中は主体性がない、と嘆いている。自分で治療法を決められず、先例にならうしか能がない、と、んでもって、なぜそんな嘆かわしいことになったかというと、効率第一主義が悪いんだって。主体性を持っていろいろ考え始めると、時間がかかって効率が悪くなるから。 で、ひいては、効率をはかるための評価がよくない、と言い出すんだが、この言い分がげんなり。 評価を否定するものではない。が、評価はあんなこともありこんな悪いこともありこんな弊害もありコストもかかり結果もはっきりせず完璧ではなくなじまない面もあり……でももちろん評価を否定するものではない。ただ評価にはこんな欠点もありあんなエピソードもありこんなこともあってうまくいかず、いや

    岩田健太郎『主体性は教えられるか』:主張はわかるが無内容。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    suginoy
    suginoy 2012/04/01
    「へえ、ビートやリズム、ですかあ。すごいですねえ、ツェペリさん。黄金の息吹! 震えるぞビート! でもまったく意味不明の自己満足ですな。ジョジョの波紋訓練じゃないんだからさあ。」
  • シュライバー『失われた私』:インチキだと知って読むと、読むにたえないシロモノではある。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    失われた私 (ハヤカワ文庫 NF (35)) 作者: フローラ・リータ・シュライバー,巻正平出版社/メーカー: 早川書房発売日: 1978/09メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 110回この商品を含むブログ (6件) を見る 有名な、16の人格が同居していたと称するシビルの治療記。こいつが売れたおかげで、全米に多重人格を自称する連中がウンカのごとくに湧いてきたという。 先日、このの検証を行った「Sybil Exposed: The Extraordinary Story Behind the Famous Multiple Personality Case」というが出て、功名心にはやる倫理観のない医者と、スクープしたいジャーナリストと、しばいっけが強く自分を特別だと考えたい患者の共謀(意識的、無意識的かを問わず)によるまったくのインチキ、という審判が下っている。催眠術にかけて

    シュライバー『失われた私』:インチキだと知って読むと、読むにたえないシロモノではある。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • 幸福の遺伝子、または喜びの伝達物質 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    The genetics of happiness, transporter of delight, The Economist, 2011/10/15 人の個性は白紙であり、経験だけででそれが決まるという発想は、二十世紀後半のほとんどの期間で主流となっていた。だが過去二十年ほどで、その発想は否定されつつある。一卵性双生児と二卵性双生児を比べる調査で、行動のかなりの部分が遺伝に左右されることが示されたし、DNA分析でその原因となる遺伝子もある程度わかった。この両方向からの研究で、幸福もかなり遺伝する率が高いことが示唆されている。 人間ならだれでも知っているように、人が幸福か不幸かを決める要因は様々だ。外部状況は重要だ。仕事のある人のほうが失業者よりは幸福だし、豊かな人のほうが貧しい人より幸福だ。年齢も効く。若者と高齢者は中年より幸福だ。でも最大の決定要因は性格だ。外向的な人は内向的な人より

    幸福の遺伝子、または喜びの伝達物質 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • ケインズ「一般理論」山形浩生訳 全訳完成 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    全訳完成。9/1に始めて、途中一週間休みがはいったけど、20日でゼロから仕上げた計算。もうちょっと集中できたら二週間くらいでできたかな。ぼくは翻訳は一発通しで、読み直すことさえあまりしないから、用語の不統一や誤変換はそこそこあるかと思う。でも大きな誤訳はないはず。各種まちがいに気がついたら教えて。 ケインズ『雇用、利子、お金の一般理論』山形浩生訳(全訳) (pdf 840kb) 訳していて気がついたこと。 ケインズは、ヒックスにも言われているけど、嫌みったらしくてやーなヤツ。 ケインズがわかりにくいのは名文家だからだ、と伊東光晴なんかがしつこく言うが、まったくのウソ。理解できないからありがたい名文にちがいないという変な宗教がかった愚かな信仰は、いい加減捨てていただきたいところ。以下のようないやらしい、関係代名詞に条件節がたくさんぶら下がった文を山ほど書くので、わかりにくいと言われるのはしか

    ケインズ「一般理論」山形浩生訳 全訳完成 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    suginoy
    suginoy 2011/09/26
    すごいな。でもたぶん読まないなw
  • ケインズ「一般理論」間宮陽介訳(岩波文庫):古い、英語知らない、原文勝手に改ざん。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    雇用、利子および貨幣の一般理論〈上〉 (岩波文庫) 作者: ケインズ,間宮陽介出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2008/01/16メディア: 文庫購入: 8人 クリック: 296回この商品を含むブログ (54件) を見る 見るまでもないと思っていたが、行きがけの駄賃。目を通し始めたが、ふ、古くさい! かたい! 「泥んでいる」(p.xiii) って、ぼくは読めなかったぞ(「なずんでいる」と読むんだって。原文は wedded)。あと第一章で「a limiting point of the possible positions of equilibrium.」となっているlimiting を、極限と訳すのは変じゃないかなあ (p.5)。 と、少し????マークが頭に浮かび始める。で、パラパラめくるうちに目についたもの。p.317 に対する訳注で 「原文は the power of disp

    ケインズ「一般理論」間宮陽介訳(岩波文庫):古い、英語知らない、原文勝手に改ざん。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    suginoy
    suginoy 2011/09/20
    英語を正しく読めてない例として面白い。英文解釈に正しく読む意味をつかむ以外の解釈の余地なんてないと思うんだけどなぁ。
  • ギルモア『あなたがメディア!』:ツイッター/FBで社会変革、とかいう本はもう飽きた。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    あなたがメディア! ソーシャル新時代の情報術 作者: ダン・ギルモア,平和博出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2011/07/20メディア: 単行 クリック: 49回この商品を含むブログ (12件) を見る いまやツイッターとFBでだれもが情報発信者でだれもがメディア! ウィキリークスが新たなニュース! もはやコレまでのニュースやメディアのあり方は成立しない! 受動的なメディア受信の時代から能動的な発信の時代へ! これで社会変革も起きる! ジャスミン動乱すごい! ……んだって。いやまあちょっと戯画化してるし、ダン・ギルモアには敬意を表しつつも、もうこの手のは飽きたよ。この手の議論も見飽きたよ。まあツイッターFB礼賛というよりは、情報の選り分けかたやコミュニティの形を扱っていて、多少はおもしろい部分も多いんだけど。でもブログでもこんな話なかったっけ? ケータイでも? インターネッ

    ギルモア『あなたがメディア!』:ツイッター/FBで社会変革、とかいう本はもう飽きた。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    suginoy
    suginoy 2011/07/21
    「この手の話に踊らされて、ツイッターで社会変革でデジタルノマドとかいって会社やめちゃった子も見てるので、痛々しくて」
  • ドライヴァー『FBI式 人の心を操る技術』 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    FBI式 人の心を操る技術 (メディアファクトリー新書) 作者: ジャニーン・ドライヴァー,高橋結花出版社/メーカー: メディアファクトリー発売日: 2010/06/29メディア: 新書購入: 9人 クリック: 259回この商品を含むブログ (18件) を見る 特にボディランゲージ中心に、人の考えていることを見破って心を引きだそうというで、FBIも使ってる技術だそうな。で、そのボディランゲージを使うことで、デートとか交渉ごととかでも、話を自分に有利なほうにもっていけるよ、という実用。ふーん。ボディランゲージとしてはそれなりにおもしろいのでは? これはそのまま日でも通じるのですか、とか、ボディランゲージはどこまで偽装できるんですか、とか疑問はわくけれど、話のタネにはなりそうだし、トンデモなことも書いていないので、相手に体を向けるとか話をきくようにするとか、書いてあることを少しやって

    ドライヴァー『FBI式 人の心を操る技術』 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    suginoy
    suginoy 2011/07/19
    「ボディランゲージ中心に、人の考えていることを見破って本心を引きだそうという本」
  • ハイト『しあわせ仮説』:ポジチブ・シンキングを脳科学的に裏付けました、だって。それがなにか? - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    しあわせ仮説 作者: ジョナサン・ハイト,藤澤隆史,藤澤玲子出版社/メーカー: 新曜社発売日: 2011/07/06メディア: 単行購入: 12人 クリック: 226回この商品を含むブログ (11件) を見るポジチブ・シンキングを脳科学的に裏付けました、という。Yawn. I don't do positive, because I'm not, period. Negativity festers in me. Go play with someone else... oh wait, there's no one positive enough in the Review Committee. Sorry. 他人に尽くすと幸せとか、足を知ることで幸せとか、All you need is love とか、いろんな宗教で言ってることは脳科学的に裏付けられるんだ、とのこと。まあそうだろう

    ハイト『しあわせ仮説』:ポジチブ・シンキングを脳科学的に裏付けました、だって。それがなにか? - 山形浩生の「経済のトリセツ」