『ダラス・バイヤーズクラブ』(DALLAS BUYERS CLUB/2013) インターネットもなく、まだエイズに対して悪評と誤情報が飛び交っていた1980年代半ば。しかもアメリカで最も保守的とされるテキサス州──。 ロン・ウッドルーフは、トレーラーを寝床にするその日暮らしの電気技師。ロデオと女を愛し、酒とドラッグとギャンブルに溺れる日々を送り、口が悪く喧嘩っ早いのでいつもトラブルに巻き込まれている。 咳き込み、激しい目まいに襲われて意識を失うロン。病室で目覚めると、医師から突然「HIV陽性、余命30日」と宣告される。打ちのめされたロンは悪態をつく。「同性愛者でない自分がかかるはずがない」と。それが根拠のない噂であることは、翌日出向いた図書館での記録調査で判明する。その場限りの女性関係の繰り返しが原因だったのだ。仲間たちはロンを避け始める。 アメリカで唯一手に入るAZTという治療薬が持つ毒
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