みなさんは、これまで肖像権という言葉を聞いたことがあるだろう。ところがこの肖像権という言葉、著作権法にも出てこないし、ほかの法律を探してもどこにも見当たらない。この権利は法律で定められたものではなく、判例によって確立された権利なのである。肖像権については、基礎編の第44話と45話で詳しく解説しているが、ここではよりビジネス的な観点から説明することにしよう。 肖像権という権利肖像権とは、「人がみだりに自分の肖像を写真に写されたり、描かれたり、また写されたり描かれたりした肖像を勝手に利用されない権利」と一般的に定義されるが、この権利には2つの性質がある。1つはプライバシーとしての権利であり、もう1つは財産権としての権利である。まず、プライバシーとしての肖像権から見てみよう。 プライバシーとしての肖像権を認めた最高裁判例として「京都府学連デモ事件」(最判昭和44年12月24日刑集23巻12号16
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