トランプ前米大統領の返り咲きの可能性が、不安な臆測を呼んでいる。トランプ氏が米連邦準備制度への支配を強化し、インフレ抑制と米経済の安定維持に不可欠な中央銀行の独立が損なわれるようなことになれば、どうなるだろうか。 簡単にはいかないだろうが、全く恐ろしい可能性だ。 金融政策決定で中銀の独立性が高まれば高まるほど、雇用とインフレの目標達成は成功する。しかし、トランプ氏はしばしば、大統領が金利に影響力を持たないことに不満を表明している。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の解任や、米連邦公開市場委員会(FOMC)の決定へのホワイトハウスの検閲強化につながりかねない案を一部支持者が策定したと報じられた。 トランプ氏にそれができるだろうか。連邦準備制度を支配する強い権限を4年の任期中に意図的に得ることは難しい。FOMCで投票権を持つメンバー12人のうち、大統領が指名できるのは7人のFRB理事だ