作品やパフォーマンスに触れて、そのアーティストを好きになることがある。大好き過ぎて、その人たちのことならいくらでも語ることができるようになる。周りから見れば、暑苦しいかもしれない。けど、きっとそういう出会いが、人生を死ぬほど楽しくしてくれる。生湯葉シホさんのそんな出会いは、中学一年の春、地元のイオンで生まれました。 SEが途切れ、客電が消えると、観客は一斉に立ち上がる。 前列の人たちが始めた手拍子が、水紋のように会場中に広がっていく。 ステージを覆う幕が落ち、悲鳴に近い歓声が上がる。 1万4千人が見つめる先で、赤いライトに照らされたボーカルが歌い出す。 あの日の1曲目の最初のフレーズは、「情熱は変わんないぜ」だった。ボーカルの声はライブから13年が経ったいまでも、驚くほど鮮明に耳の奥に焼きついている。 ■“お茶の間”的ロックバンド、ポルノグラフィティ ポルノグラフィティというバンドを追いか