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ブックマーク / p-dress.jp (23)

  • 箸が止まらない! 超簡単&美味しい「なすのナムル」の作り方

    なすを使った簡単ナムルのレシピをご紹介します。レンジでチンして、調味料と混ぜ合わせるだけで完成です。さっぱりとした味わいが後をひき、やみつきになること間違いなし! こんにちは。料理研究家の河瀬璃菜です。 この時期に美味しい夏野菜は、体にこもった熱を下げてくれる効果が期待できると言われていて、積極的にべたい材のひとつです。 今回はそんな夏野菜の「なす」を使ったレシピを紹介します。作るのは「なすのナムル」。 レンジで加熱して調味料を混ぜ合わせるだけなので、簡単に作ることができますよ。 やみつき! なすのナムル

    箸が止まらない! 超簡単&美味しい「なすのナムル」の作り方
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    sukeroc 2021/07/18
  • 自転車のうしろから手を離さないでいること

    誰かの孤独を救おうなんておこがましいかもしれない。ひとりで絶望や悲哀を抱える人のそばにいることは難しいのかもしれない。けれど、その一歩手前のワンシーンにだけでも居合わせることができたら。文筆家・生湯葉シホによる誰かの不安に“居合わせる”ことについて綴ったエッセイです。 フリーランスになる前、ライターとして何年かアルバイトをしていた会社では、各チームの上長が月ごとにチーム目標を立てるという決まりがあった。Webメディアの記事制作を主な業務とするその会社では、新規顧客の獲得や高いPVが見込めるコンテンツをつくることが目標として設定されることが多かったのだけれど、ある月に、同じ編集チームの先輩がふしぎな目標を立てたことがある。 「これはチームで達成してほしいというより、僕がみなさんに対して伝えておきたい目標なんだけど……」と先輩は前置きしたうえで、「居合わせる」と言った。8人ほどのチームメンバー

    自転車のうしろから手を離さないでいること
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    sukeroc 2021/07/13
  • いやだなあ、確定申告

    また2月がきた。確定申告の季節だ。正確には、ことしの確定申告は4月15日までに済ませればいいらしいのだけど、えらい人はだいたい2月中に確定申告を終わらせて「もう終わった?」とニヤニヤしながら聞いてくる。終わっているわけがない。仮に2月に終わっていたら、こんなことをわざわざエッセイにしているはずがないのだ。 ■書類が書けないばっかりに 思い返してみれば、「書類に向かう」という作業が学生時代から心底にがてだった。マークシート式の試験やアンケートに臨もうとすれば、ボタンをかけ違えるように必ず記入欄をひとつずつずらして塗りつぶしてしまい、最後に大慌てする。「自分の住所を書くように」と言われていたはずの郵便物をどういうわけか高校の住所宛てにしてしまって、事務課から困惑気味に電話がかかってきたこともある。大学生のころは自分の学籍番号がいつまで経っても覚えられず、出席票に学籍番号を記載するたびにいちいち

    いやだなあ、確定申告
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    sukeroc 2021/02/19
  • 寝ないで手紙を書き続けた3日間

    「30日間毎日手紙を送るために、30通の手紙を3日間かけて書き上げました」と話してくれたエッセイストの生湯葉シホさん。きっと誰にでも、「なんであんなに情熱を注げたんだろう」って思うようなことがある。そしてそれは絶対に無駄なことなんかじゃないんだと、これからもそう思いたい。 「これまででいちばん頑張ったことはなんですか?」と転職先の面接で聞かれて、「手紙を書き続けたことです」と答えたことがある。 手紙ですか、と首を傾げられて、「はい。30通、3日間寝ないで書き続けました」と言ったらぎょっとされた。 「30通でそんなにかかるものなんですか」 「封筒と便箋をぜんぶ手作りしたので、1通3時間くらいかかりました。正確に言うとぜんぶで4日弱くらいはかかったと思います」 「そのあいだ、事とかどうしたんですか」 「時間がないので、カップ麺を部屋に持ち込んで書きながらべていました」 「どなたに送る手紙だ

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    sukeroc 2020/09/07
    めちゃめちゃ良い話だった
  • 「元気」はもうあきらめた

    今あなたは元気じゃないんだから、元気にならないとね。だって元気なことはいいことなんだから。元気があればなんでもできる! ってね――。あれ、でも“元気な状態“ってなんだろう? 健康診断で引っ掛からないこと? 大きな怪我や病気をしていないこと? 生湯葉シホが考える、元気とか健康のことについて。 去年の末、還暦を過ぎた父ががんの手術を受けた。道をぜんぶ切除した上で胃の一部を引っ張ってきて道の代わりにする、という人体切断マジックのような大手術だったから、いま父の体には道と胃の半分がない。 退院後、見舞いにきてくれた父の知人は、15キロほど痩せた父の姿を見て一瞬明らかにぎょっとした顔をし、しばらく言葉を探したあとで「早く元気になってくださいね」と言った。父はかすれた声でなにか返そうとしたのだけど、「無理にしゃべらないで大丈夫ですから」というその人の声が重なり、黙ってしまった。 無理にもなにも、

    「元気」はもうあきらめた
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    sukeroc 2020/06/27
  • DMで知らない人から急に悪口を言われたとき、私がしていること

    数多くの恩恵を享受できるインターネットではありますが、一方で悪意を人にぶつけることも簡易化されています。一生の記憶に刻まれてしまうこともある他人からの悪口。不意に目にしてしまうこともあるためなかなか対策が難しい中、エッセイスト、生湯葉シホさんが提案するのは「悪口オート仕分けルール」というもの。 エッセイストという仕事柄、ネット上で知らない人からたまに悪口を言われる。自分の書いた記事がある程度拡散されたりすると、「押しが強くて怖い」とか「キモい」とか、「文体が生理的に無理」みたいなメッセージがnoteのコメントについたりTwitterのDMに送られてきたりする。 人間なので、はじめはそのたびに律儀に落ち込んでいたのだけど、だんだんむかついてきて「なんで嫌いな人にわざわざ『嫌いです』って言いにくるやばいやつの言うことを真に受けて落ち込まなきゃいけないんだ」と思うようになった。とはいえ「怖い」と

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    sukeroc 2020/05/22
  • ワンピースの女王

    ワンピースは着る盾、着るたいまつ、着る花びら、着る風、着る塔」と、ワンピースの女王は言う――。思い入れのある服を“ドレス”と名付け、その服にまつわるエピソードを綴るリレーエッセイ「私のドレス」。第7回は、くどうれいんさんのドレス。 「ワンピースに決まってるでしょ」 祝賀会のために着るものがない、と告げると母はそう言った。わたしには年に3回ほど、ホテルの大きな宴会場で行われる式典に出る用事があった。ひとつは、高校時代にもらった随筆賞の祝賀会(大賞を取ると殿堂入りとなってその後毎年呼ばれるのだ)。もうふたつは、俳句結社の集まり。わたしは18歳の大学1年生だった。いままでは何に出るにも制服で間に合ったが、これからは着るものを自分で考えないといけない。私服ならまだしも、パーティーに出るための洋服を選ぶことはとても難しかったし、わたしにはお金がなかった。 そんなあんたにこそぴったりなのがワンピース

    ワンピースの女王
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    sukeroc 2020/03/28
  • すべての服がすこしずつ大きいこの世界を、1日でも多く好きでいたい【私のドレス #4】

    古着屋で見つけた40サイズのワンピース。体の小さい私には明らかに大きすぎたけれど――。思い入れのある服を“ドレス”と名付け、その服にまつわるエピソードを綴るリレーエッセイ「私のドレス」。第4回は、エッセイスト・生湯葉シホさんのドレス。 体が小さく、身長も低くて、私にはむかしからすべての服がすこしずつ大きい。あとからちょうどよくなるはずだから、と母に3年間言い聞かされていた制服のブレザーは最後まで全然ちょうどよくならなかったし、いまでもフリーサイズの洋服の試着をするときは決まって、ちょっとぶかぶかめに着るのがかわいいデザインなので、とフォローされる。 これまで私にそう声をかけてくれた無数の店員さんたちの言葉が当ならば、この世のほとんどの服はちょっとぶかぶかめに着るのがかわいいデザインということになる。 あ、なんか、どうやらそうじゃないっぽいな? と気づいたのと、人からの視線が怖くなりはじめ

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    sukeroc 2020/01/23
  • 恋人の元カノたちはみんな発光している

    恋人の元恋人たちは、眩い輝きをまとって美しい幻想として私の前に現れる。現実に生きる私は幻に存在する彼女たちにかなわない。生湯葉シホによる嫉妬という感情がもたらすものへのエッセイです。ああもう馬鹿馬鹿しいって、自分でも思ってる。 友人と並んで歩いていたとき、「シホさんって背何センチ?」と急に聞かれた。150だよと言うと彼女はちょっとホッとした顔になって、「よかった、152くらいかなって思ってた」と笑った。152だと困るの? と聞くと、「ほんとくだらないんだけど」という前置きのあとに、こんな話をしてくれた。 ■152.5センチという数字に宿る魔力 彼女は先日彼氏と同棲を始めたばかりだったのだけれど、彼が前の家から持ってきた荷物のひとつに体重計があった。ある日、彼女がリビングに置かれた体重計になにげなく乗ってみると、「170.5cm/25歳」という文字が表示された。それは彼氏の身長だったから、自

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    sukeroc 2019/12/15
  • 「推しを嫌いになりたくない」と思った日のこと

    友達思いで差別主義者。仕事に真剣で人の話を聞かない。家族のことを大切にしていて人の容姿を貶める。私のいるところで、あるいはいないところで、その人の顔はころころ変わる。大好きな人、尊敬している人がふとした瞬間に垣間見せた“嫌悪せざるを得ない表情”に、どう向き合っていけばいいんだろう。 なにがあっても好きだと確信していた人への愛が、些細な言葉で揺らいでしまいそうになることがある。iPhoneから聞こえてきた大好きな相手の発言に耳を覆いたくなって、ラジオアプリを閉じたのが数日前の話だ。 その人のことを、古風なジェンダー観の持ち主だとは思っていた。1杯目にカクテルを頼む女の子は空気を読んでほしい、乾杯が遅れるからという発言を過去のインタビューで読んだときは、ファン同士で「なに言ってんだろうね」と笑い合いもした。 それは5年前の話だったからまだ笑い飛ばせたのだけれど、ラジオの放送日はまぎれもなく20

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    sukeroc 2019/10/29
    “この人はずっとこのままだ、と人を簡単に見切るようなことはもうしたくない。だから私は推しのことを信じているし、もしもできるなら変わっていってほしい、とも思う
  • 「マジで楽しく生きる」渋谷のスーパーギャル・寿蘭になりたかった

    あのころ抱いていたギャルへの憧れは今もこれからも消えそうにない。“真のギャル”とは何かを教えてくれた『GALS!』の寿蘭ちゃんの言葉とともに、エッセイスト・生湯葉シホが理想としていたギャルへの想いを綴ります。 この話をしても誰も信じてくれないのだけど、小学校の体育の授業で指名されて先生の前でパラパラを踊らされたことがある。曲はミッキーマウス・マーチのユーロビートバージョン で、たしか2002年の夏だった。 私は10歳で、漫画雑誌「なかよし」を卒業して「りぼん」を読み始めたばかりだった。昔から現実と虚構の区別がつけられない子どもで、新しい漫画に夢中になるたびに(この主人公、私だ……)と気で思い込んでしまう悪癖があり、当時「りぼん」で連載を終えたばかりだった『GALS!』を読んだときにもその癖は例外なく発動した。 私は『GALS!』の主人公、スーパーギャルの寿蘭ちゃんを自分の将来の姿だと思い

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    sukeroc 2019/09/18
  • 14年間、メモをとり続けているメモ狂いの話

    ノートを開いて、スマホを開いて、自分の気持ちをメモし続けて14年。エッセイスト・生湯葉シホさんがこれまで記してきたメモを振り返りながら、きっと多くの人が忘れていくであろう誰かの一瞬について考えていきます。あなたの残したメモには、どんなことが書かれていますか? 中学のときからずっと自分の気持ちをノートにメモし続けてるんです、と人に言うと引かれる。ずっと日記をつけ続けてるんです、なら単にマメな人という印象になるのだろうけど、「自分の気持ち」という謎ワードが妙にガチっぽくて怖いのだと思う。 どうしてそんなメモをとり始めたのかは自分でもよくわからないのだけど、たぶん大好きなバンド・ポルノグラフィティのギタリストが当時、“確かに動いた心をなかったことにしてしまうのが、自分の心に失礼だと思うから”と発言していたのが影響している。その言葉を聞いた私は「そっか、自分の心に失礼なんだ……!!」と思い、どんな

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    sukeroc 2019/06/30
  • 性欲を高めると健康を損なう? 女性の性をめぐる誤解の歴史

    「性欲を高めると不健康になる」なんて誤った理論が展開されていた時代から約100年、今女性の性に対する価値観は大きく変わっている。性的な欲求は人間にとって大事な欲求のひとつであり、恥ずかしいものでも、タブー視されるものでもない。 女性がセルフプレジャー(マスターベーション)をするのは、ごく自然なこと。しかし、女性のセルフプレジャーについての話題は、残念ながらまだまだ「はずかしい」「はしたない」といったイメージで隠され、避けられてしまいがちです。 「性のことって、当はもっと気持ちがいいものだよ。人間の根源的な欲求で、当たり前のものだよ」。──セルフプレジャーに対するマイナスイメージを払拭し、女性たちにそんなメッセージを伝えようとしているのは、女性向けセルフプレジャーアイテムを展開しているブランド「iroha」の広報・西野芙美さん。 そんな西野さんと、同じくiroha広報の井はるさんのおふた

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    sukeroc 2019/06/26
  • 「あなたの思うように俺が感じなくても、そのことを責めないでくれ」

    10連休のリレーエッセイ企画「忘れ得ぬあの人の言葉」。かつて好きだった人から受け取った、忘れられない言葉の想い出を振り返ります。今宵は、会社員兼ブロガーのはせ おやさいさんが、離婚へと進む道の途中で言われた忘れられないひとことを綴ります。 ■「お嫁さん」にただ憧れていた ありふれた話であるが、わたしは一度離婚を経験している。 相手は9歳年上の作曲家で、優しく繊細な人だった。結婚を決めた理由はたくさんあったが、離婚を決める理由もたくさんあった。それはもう大きなものから小さなものまで。数々の理由を総合すると、「わたしが幼かったから」と言い換えられるかもしれない。 30歳を過ぎてからの初婚なので、「幼い」という年齢でもなかったのだが、他にうまい言いようがない。結婚という言葉にただ憧れ、「お嫁さん」に夢を見ていた自分に、気が付けなかった。 いや、もしかしたら自分でも、自分の「お嫁さん」願望に薄々気

    「あなたの思うように俺が感じなくても、そのことを責めないでくれ」
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    sukeroc 2019/05/02
  • ずっと「ボロボロの筆は努力の証」なんて思ってた

    「あなたの絵が好きです。たとえ、あなたが恐い顔をしたおじさんだったとしても、必ずあなたの絵を好きになっていました」 小さい頃、絵を読んでもらうことが大好きだった。 母が大げさな演技をつけて、毎晩何冊もの絵を読み聞かせてくれたことを、今でもよく覚えている。気に入った絵は、全ページのセリフを丸暗記するほど読み込んだ。 小学生になり、周りの友人達が徐々に活字だけの難しいを読みはじめても、絵から卒業できずにいた。おかげでいまだに挿絵のないを読むとすぐに疲れて頭が痛くなってしまう。 そうして日々絵と過ごしているうちに、自ら絵を描く仕事がしたいと思うようになった。なんとなく、絵を描く以外のことにあまり興味を持てなかったから。 高校を卒業後デザイン系の学校に進学し、そこでたくさんの絵を描いた。その間、たくさんの美しい絵にも出会った。特に衝撃だったのが、ロシアの画家ユーリー・バスネツォフが

    ずっと「ボロボロの筆は努力の証」なんて思ってた
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    sukeroc 2019/04/27
  • ニセモノの檸檬を握りしめなければ、生きていくことができなかった

    いまこれを読まなければ生きていけない、と思いながら前のめりにを読んでいた。中学時代に抱いていたそんな想いを、品サンプルの檸檬に託していた。小説家・磯貝依里さんによるエッセイです。 中学生の頃、糊のゆるんだ制服の紺プリーツスカートのポケットに、檸檬をひとつしのばせていた。 スカートの右ポケットにはリップクリームとあぶらとり紙、それからソックタッチの三点セットが入っていて、檸檬を隠していたのは左側のポケットだった。檸檬はてのひらにおさまるほどのサイズだったけれどそれなりに大きかったから、そんなわたしを遠くから眺めると、きっといつも左下半身だけがポコンと奇妙にふくらんでいたのだと思う。 ■騒がしい中学生活の水底で、ひとりを読んでいた わたしの通っていた中学校は市の全体を望む山の中腹にあった。山のてっぺんに建つ小学校と山のふもとに建つ小学校のふたつから生徒の入学する中学で、それはちょうど、上

    ニセモノの檸檬を握りしめなければ、生きていくことができなかった
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    sukeroc 2019/04/23
    めちゃ良いし、僕はレモンの良い食品サンプルずっと探してる
  • 地獄で撮られた写真を燃やしに行く

    元恋人との写真を捨てられなかった。それは、綺麗な思い出があるからとか、見返すたびに懐かしさを感じていたから――とかではなく、あの「地獄」の日々を生き抜いた自分自身の努力が消えてしまうような気がしていたから。 霊園までの道は桜が満開だった。 前方の席には、仏花を入れた紙袋を足元に置いた人たちが座っている。親族の供養だろうか。少なくとも、同じ目的で霊園に向かっている人はいなそうだなと思った。 桜並木の下で、バスはよく揺れた。急な坂道を進むとき、腕に抱えていたアルバムがシートベルトの金具にあたってゴトゴトと音を立てた。 それを聞いて、一刻も早くこのアルバムを焼いてくれ、という気持ちが強くなる。 ■遺影みたいな写真 「平成のうちに捨てたいものってありますか」と編集さんに聞かれたとき、最初に思い浮かんだのが1枚の写真のことだった。 B5ノートを見開きにしたくらいの大きい写真だ。モノクロで、3年前まで

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    sukeroc 2019/04/23
  • 5分だけ香水の話をさせてほしい

    偏った愛、周りに理解されにくい嗜好、心を燃え上がらせるアイテムの数々……沼にはまるというのは、なんともやっかいで、それでいてどうしようもなく愛おしい。 2018年、油断していたら香水にハマった。 アニメ好き・ジャニーズ好きの友人たちがよく「あの沼は、覗き込んだだけで足をとられるから……」とバナナフィッシュやセクゾやキンプリを前にして嘆くのを聞いていたので、「自分が絶対好きになっちゃうジャンル」には近づかないのが賢明だということはわかっていた。 ……のだけど、興味位で水たまりみたいな浅い部分に足をポチャッとつけてみたら、気がついたときにはすでに隣でアンコウとかがユラーッと泳いでいた。 不覚だった。辺りを見渡すと、思っていた10倍は自分が深いところにいるのに気づいて途方に暮れてしまった。 早々に降参して、この連載で香水の話をしたい、しようと思った。でも、香水について調べ始めたら、知れば知るほ

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    sukeroc 2019/01/28
  • 最後の1ページを開き、私は今日も浮遊する。世界を柔らかく崩壊させる漫画

    毎日の何気ない暮らしにもストーリーは宿る。 例えば、岐阜県でイラストレーターをしている人。 神奈川県でメーカーの営業所に勤めている人。 広島県でお土産コーナーの販売員をしている人。 埼玉県で銀行員をしている人。 山口県で製薬工場勤務の人。 それぞれに宿るストーリーは人生に愛しさをもたらしてくれる。目の前の世界を意味のあるものにしてくれる。 一方で、この「人生に託している意味」は、自分の手の中にのみ視線を集中させ、他の視座から人生を見つめることを忘れさせてしまう危うさも持ち合わせているのではないかと私はずっと心配している。 この世界に生まれたのなら、この世界で、この舞台装置で生きるしかない。 知っている高さの空を飛び、知っている深さの海を泳ぐしかない。 生活に満ちる人生のストーリーに飲み込まれそうになったとき、私は決まって、ますむら・ひろし先生の『コスモス楽園記』を手に取る。 ■晴ればれと明

    最後の1ページを開き、私は今日も浮遊する。世界を柔らかく崩壊させる漫画
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    sukeroc 2018/09/18
  • ぜんぶポルノグラフィティのせいだ 【偏屈女のやっかいな日々】

    作品やパフォーマンスに触れて、そのアーティストを好きになることがある。大好き過ぎて、その人たちのことならいくらでも語ることができるようになる。周りから見れば、暑苦しいかもしれない。けど、きっとそういう出会いが、人生を死ぬほど楽しくしてくれる。生湯葉シホさんのそんな出会いは、中学一年の春、地元のイオンで生まれました。 SEが途切れ、客電が消えると、観客は一斉に立ち上がる。 前列の人たちが始めた手拍子が、水紋のように会場中に広がっていく。 ステージを覆う幕が落ち、悲鳴に近い歓声が上がる。 1万4千人が見つめる先で、赤いライトに照らされたボーカルが歌い出す。 あの日の1曲目の最初のフレーズは、「情熱は変わんないぜ」だった。ボーカルの声はライブから13年が経ったいまでも、驚くほど鮮明に耳の奥に焼きついている。 ■“お茶の間”的ロックバンド、ポルノグラフィティ ポルノグラフィティというバンドを追いか

    ぜんぶポルノグラフィティのせいだ 【偏屈女のやっかいな日々】
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    sukeroc 2018/07/30
    “バンドに限らず、人でも趣味でもなんでもいいのかもしれないけれど、「ここが私のホームだ」と思えるような場所がひとつでもあれば、それだけで人生は死ぬほど楽しい”